三隅治雄

三隅 治雄について

三隅治雄（みすみはるお）は、1927年に大阪府で誕生し、日本の民俗学と芸能研究において著名な学者として広く知られています。彼は実践女子大学の元教授であり、東京国立文化財研究所の名誉研究員としても活動しました。

学歴と職歴

三隅は國學院大學の国文科に入学し、そこで折口信夫や西角井正慶といった著名な師匠の教えを受けました。卒業後、彼は東京国立文化財研究所に入所し、そこで芸能部部長としての役職を務めたことで、民俗学の発展に多大な貢献をしました。1976年には、『民俗芸能史研究』を通じて文学博士号を取得し、その後も民俗芸能に関する多くの研究を行いました。

1990年には実践女子大学の教授に就任し、教育分野においてもその知識と経験を次世代に伝える役割を果たしました。1998年には定年を迎えましたが、彼の学術的影響はその後も続いています。

学界での役割

三隅は、芸能学会の会長を務めるなど、学界において重要な役割を果たしました。また、民族芸術交流財団の理事長を始め、日本芸術文化振興会評議員や日本芸術文化興基金運営委員会委員、国立劇場おきなわ運営財団の理事などにも名を連ねています。さらに、公益財団法人日本民謡協会では理事として活動し、民俗芸能の振興に努めています。

受賞歴

彼は、その業績に対して数々の賞を受賞しています。特に、1996年に受章した紫綬褒章は、彼の長年にわたる献身的な研究と民俗芸能の普及に対する評価といえます。また、芸術祭賞を受賞したこともあり、その功績は広く認められています。

主な著作

三隅は、多くの著書を執筆しており、その中には『郷土芸能』や『民族の芸能』、『日本舞踊史の研究』などが含まれ、これらは日本の民俗学における重要な資料となっています。さらに、『祭りの情念』や『日本民俗文化大系』、また『踊りの宇宙』など、多岐にわたるテーマでの研究が評価されています。

彼の共著にも、『沖縄の芸能』や『日本民謡辞典』などがあり、これらの作品は日本の伝統文化や民俗についての深い理解を提供しています。

結論

三隅治雄は、日本の民俗学と芸能研究において重要な先駆者であり、彼の業績は今後の研究にも大きな影響を与えることでしょう。彼が築いた学問の基盤とその思想は、多くの研究者や学生たちに引き継がれていくことでしょう。

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