三隅発電所

三隅発電所の概要と発電技術

三隅発電所（みすみはつでんしょ）は、島根県浜田市に所在し、中国電力が運営する石炭火力発電所です。この発電所は、特に環境に配慮したクリーンコール・テクノロジーを採用しており、効率的かつ持続可能な発電を目指しています。1号機は1998年に運転を開始し、2号機は2022年に稼働しました。

主要な発電設備

三隅発電所ので定格出力は合計で200万kWに達し、各発電ユニットが100万kWの出力を持っており、その発電効率は、1号機は43～45%（熱量基準に応じて異なる）で、2号機は43%という高い数値です。特に1号機は、現在の国内で最大規模の石炭火力発電ユニットであり、超々臨界圧の蒸気条件を採用しています。これにより、蒸気温度は600℃、圧力は24.5MPaに設定され、発電効率を最大限に引き上げています。

燃料の利用方法

三隅発電所では、主に海外から輸入される石炭を燃料として使用していますが、2号機では木質バイオマスを混合燃料として採用し、環境負荷の軽減を図っています。混焼については、10%程度（熱量ベース）の比率で行われ、年間約50万トンの二酸化炭素の排出削減が見込まれています。

輸送および再利用

発電所の近くには、山陰本線の岡見駅との間に専用線が引かれており、これは石炭灰（フライアッシュ）を美祢駅経由で宇部興産の伊佐セメント工場に運ぶために利用されています。この取り組みは、発電所で生じた廃棄物を再活用するためのもので、環境保全にも貢献しています。

建設の経緯と計画

三隅発電所は1978年に地元への建設申し入れが始まり、その後1982年には国の電源開発基本計画に組み込まれました。1995年には1号機が着工し、1998年に運転を開始しました。一方、2号機の建設計画は幾度かの延期を経て、最終的には2018年に着工し、2022年に正式に運転を開始しました。これにより、長期にわたる電力需要に対応できる体制が整いました。

まとめ

三隅発電所は、古い火力発電所の高稼働によって電力不足に応える必要がある中、現代的な技術を駆使した発電所として、環境への配慮を最大限にしつつ電力供給を行っています。今後もさらなる技術革新が期待されており、持続可能なエネルギー供給に向けた取り組みは続くでしょう。

もう一度検索