上京焼き討ち

上京焼き討ち

上京焼き討ち（かみぎょうやきうち）は、日本の戦国時代の1573年、織田信長によって引き起こされた京都の焼き討ち事件です。この出来事は、織田信長と将軍・足利義昭との対立が深まった結果、生じました。

経緯

元亀4年（1573年）2月、将軍の足利義昭は、織田信長に対して反乱を起こすよう、諸将に命じました。この動きに対し、信長は義昭に和平を求める使者を送り、人質を出すことを条件としましたが、義昭の承認は得られませんでした。信長の使者は、講和が成立しない場合は京都を焼き払うと警告しました。

その後、信長は岐阜を出て上洛を決行しましたが、当時の京都では「武田信玄が近づいている」などの噂が広まり、信長の進軍を信じる人は少なかったのです。しかし、信長が近江に来ているとの情報が伝わり、京の人々は恐怖に駆られて町を逃げ出しました。

焼き討ちの始まり

信長は岐阜から上洛し、京都入城後、義昭との和平交渉を試みる一方、上京と下京への焼き討ちを命じました。市民たちは信長に和議を願い出ましたが、上京は多くの幕府支持者が住んでいたため容赦なく焼かれました。4月2日には128ヶ所以上の地域が焼き払われ、信長は軍の指揮をしていました。

火災は連日のように続き、多くの家屋が焼失しました。トラブルに巻き込まれた市民たちの中には逃げ遅れて命を落とす者も多く、無数の人々が信長の軍による乱暴狼藉の犠牲になりました。宣教師のルイス・フロイスは、都市の惨状を目の当たりにし、その恐ろしさを記録しています。

影響と結末

焼き討ちによる人的被害は無視できず、町人や百姓に多くの死者が出ました。信長の行動は義昭に対する圧力を意図したものでしたが、彼の軍勢によるさらなる暴力と混乱は、許し難いものとされました。最終的には、正親町天皇の勅命を通じた和議によって、義昭と信長の間で和平が結ばれました。

まとめ

上京焼き討ちは、日本の歴史における極めて重要な事件であり、織田信長の権力闘争や京都市民に与えた影響についての理解を深めるための重要な題材です。この事件は、信長の性格や戦術を象徴しており、戦国時代における混乱と暴力の一端を物語っています。

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