上原敏夫

上原 敏夫（うえはら としお）: 日本の法学者

上原敏夫は、1950年6月4日東京都品川区に生まれ、日本の法学界で重要な役割を果たしている法学者です。彼の専門分野は主に民事訴訟法、民事執行法、倒産処理法など多岐にわたります。学歴としては、一橋大学法学部を卒業後、東京大学大学院法学政治学研究科で修士課程を修了し、最高裁判所司法研修所で司法修習を経て、一橋大学法学部で助手としてキャリアをスタートしました。

教職歴と研究業績

1985年から1986年の間、彼はドイツのフランクフルト大学法学部で客員教授を務め、その後1995年にも同職に再任されました。この期間において、彼は民事執行法に関する研究に従事し、ドイツ法を基にした第三債務者の保護についての見解を提唱しました。1990年には一橋大学法学部の教授に昇進し、1996年には」債権執行手続の研究」という学位論文をもとに博士（法学）の学位を取得しました。

その後、組織変更により一橋大学大学院法学研究科の教授としても活動を続け、法務担当として国立大学法人一橋大学の役員補佐も務めました。彼の指導のもとで、多くの学生たちが成長し、村上正子名古屋大学教授などがその一例です。

2021年には明治大学での定年退職を迎え、2023年には名誉教授の称号を授与されました。現在、上原は第一東京弁護士会に登録されており、山本柴﨑法律事務所の客員弁護士として活動しています。

国際的な貢献

上原の業績は国内に留まらず、国際的な法制度整備にも及びます。彼は、1999年からカンボジアの民事訴訟法制度整備に携わり、2017年からはその作業部会の部会長を務めています。さらに、2007年からは中国法制度整備支援委員会の委員長としても活躍しています。これらの活動により、彼は2012年に国際協力機構から感謝賞を受賞し、カンボジア王国から友好勲章を受けるなど、国際的な評価を得ています。

重要な著書

上原の著作も非常に影響力があります。彼の代表作には、「債権執行手続の研究」（1994年）や「団体訴訟・クラスアクションの研究」（2001年）、最近の作品では「民事執行・倒産手続の研究」（2023年）や「民事執行・保全法（第7版）」（2024年）などがあります。これらの書籍は、法学の研究や実務の現場で広く使われており、彼の専門的な知見を基にした深い洞察が詰まっています。

上原敏夫は、法学者としての活動を通じて、法律の発展に大いに貢献し続けている人物であり、今後の更なる活躍が期待されます。

もう一度検索