上地流

上地流空手道の概要

上地流（うえちりゅう）は沖縄発祥の空手道流派であり、強柔流や小林流と並び沖縄三大流派の一つに数えられています。開祖の上地完文が中国に渡り、現地の武人周子和から伝授されたパンガヰヌーン拳法を基にしており、沖縄武術の流れの中でも唐手の系譜を引いています。上地流では、身体への直接的な打撃を求める三戦鍛錬と、手や足の先端を活用した攻撃法が特徴です。

歴史

1897年に上地完文が福建省に渡り、いくつかの道場を経て周子和の指導を受けました。その後、1904年にパンガヰヌーン拳法の免許皆伝を受け、1907年には自ら道場を開くも、1909年の一連の事件を経て道場を閉鎖し、1910年に帰国します。上地はその後、拳法指導に対して秘密主義を貫く中、1926年に和歌山で初の道場を開設し、徐々に一般向けの指導を始めました。1930年代に入ると、流派名を「上地流空手術」と改め、1940年代には沖縄への帰郷とともに、沖縄の地でも上地流が誕生します。しかし、上地完文は1948年に逝去し、その後は長男の上地完英が流派を引き継ぎ、1957年には「上地流空手道」と名称を改めました。

特徴

上地流において最も重要視されるのは三戦（サンチン）という型です。この型は技術の基盤を形成するだけでなく、呼吸法や身体の使い方を学ぶための重要な要素になります。修練中、この型を通じて全身を叩き、筋肉を締めて強靭な身体を築くことが求められます。

加えて、上地流では「小手鍛え」と呼ばれる独自の稽古法が存在します。これは腕をぶつけ合い、前腕を鍛えるもので、道場によってはバットやビール瓶で叩くこともあるとされています。これにより、道場生の身体能力は強化され、上地流が「他の流派ではバットを叩いて折るが、上地流はバットで叩くとその方が折れる」と言われる所以です。このような激しい修練から、攻撃方法も独特で、指先や足先を多く用いる技が特徴的です。

上地流には正拳突きの習得がなく、四本貫手や拇指拳を多く使用します。また、蹴り技でも足の指先を使う独自の技術があり、特に上級者になるとその技術はより難易度が上がります。

主な団体

上地流には多くの関連団体が存在し、その中には上地流空手道協会、上地流空手道振興会、国際上地流空手道・琉球古武道與儀会館などがあります。これらの団体は各地で上地流の武道を普及し、トレーニングを行っています。特に上地流空手道協会に所属する道場は、国内外での道場の設立やイベントを通じて流派を広めています。

総括

上地流空手道はその歴史的な背景と独自の稽古法により、今日でも多くの人々に愛され、実践されています。身体能力を重視するそのスタイルは、武道の枠を超えて、自己鍛錬や精神的な成長を遂げるための手段として大いに評価されています。今後の上地流の発展にも期待が寄せられています。

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