上富良野演習場

上富良野演習場について

上富良野演習場（かみふらのえんしゅうじょう）は、北海道の道北地方に位置し、陸上自衛隊が設置した演習場の一つです。この演習場は特に空知郡上富良野町、中富良野町、富良野市の3つの町にまたがっており、地域では最大級の施設となっています。設立は昭和30年代にさかのぼり、当初は十勝岳の山麓にあった原生林を切り開いて、訓練に適した環境を整えました。

管理と利用

この演習場は、上富良野駐屯地に所在する業務隊の演習場管理班によって管理されています。演習場は主に陸上自衛隊第2師団及び、約6キロ離れた上富良野駐屯地の各部隊が訓練を行うために使用されます。特に、上富良野射撃場では小銃射撃などの実施が行われており、演習場内には特科部隊が使用する榴弾砲や戦車、普通科連隊による無反動砲、迫撃砲、さらには対戦車ミサイルなどの射撃訓練エリアがあります。

この演習場は、法律に基づいて重要施設として認定されており、周囲の防衛関連施設の上空では小型無人機の飛行が禁止されています。

環境とアクセス

上富良野駐屯地から演習場へと続く町道は、戦車が通行できるように特殊に設計されており、アスファルトではなくコンクリートで舗装されています。このため、重い装備でも安全に移動できるようになっています。

さらに、旭川市忠和付近の旭川大橋からは、上富良野演習場の一部、特に富良野岳の麓や弾着地付近を見ることができるスポットがあります。運が良ければ、訓練中の弾着に伴う煙を観ることもできます。

訓練の難しさ

地形は岩だらけで困難な条件を伴っており、陣地構築訓練を行う際には特に苦労します。そのため、隊員たちはスコップやツルハシを使っても簡単には穴を掘ることができず、時には「隊員泣かせの演習場」とも呼ばれています。実際、深さ30センチ程度の穴を掘るためには、土を掘るよりも岩を取り除く作業が優先されるほどです。

このように、上富良野演習場は自然環境を生かした訓練の場であり、特異な地質による挑戦が隊員たちを鍛えています。自衛隊の訓練において重要な役割を果たす施設として、今も多くの部隊が利用を続けています。

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