上山城

上山城（かみのやまじょう）

上山城は、山形県上山市に位置する歴史的な日本の城で、別名は月岡城と呼ばれています。江戸時代には上山藩の中心的な藩庁が設けられていました。現在では上山市指定の史跡として多くの観光客に親しまれています。

歴史的背景

上山城の起源は南北朝時代にさかのぼります。当初、天童頼直の子である上山満長が上山にて高楯城を築き、その後居城としました。1515年には伊達氏の攻撃により城が奪われ、城主であった上山義房は逃亡を余儀なくされます。その後、義房は1520年に一度復活を図りますが、伊達家との戦いで命を落とします。

1535年、義房の子である武衛義忠によって城は再び奪還され、その際に現在の上山城が築かれました。その後、城主は代々変わりながらも、上山城は地域の重要な拠点であり続けました。

時を経て1580年、最上義光が突如として上山城を攻め落とし、満兼が討死する事件が発生します。その後の江戸時代には、藩主が頻繁に交代し、上山藩は幕末まで存続しました。城の構造は、本丸を囲む二の丸と外堀を持ち、藤井氏が支配していた時期には居館が設けられていました。

上山城の構造と発展

近世の上山城は、三重の天守や各所に櫓門がある壮麗な城郭として知られ、「羽州の名城」として名を馳せましたが、金森家の転封に際して一度破却されます。その後、藤井松平家が再建し、明治を迎えるまで城は存在し続けましたが、明治時代に入ると廃城令により1873年から取り壊しが始まります。

現在の上山城跡は、月岡公園および月岡神社の境内として利用されており、1957年には市の史跡に指定されました。また、1982年には二の丸跡に模擬天守が設立され、地域の歴史を学ぶための郷土歴史資料館として利用されています。

遺構と観光名所

上山城の遺構の一部として、本丸の西側に残る西内堀や土塁、石垣、及び庭園があります。また、移築された建物として、旅館「いきかえりの宿 瀧波」に薬医門形式の門があり、さらには兵糧米の保管庫も市内に移されて現在も存在しています。

さらに、二の丸跡には望楼型の模擬天守があり、様々な展示が行われており、訪れる人々に地域の歴史を伝えています。観光名所としても知られ、季節ごとに鎧や刀剣の展示など多彩な催しが開催されています。

アクセスと開館情報

上山城は、山形県上山市元城内に位置し、JR奥羽本線の「かみのやま温泉駅」から徒歩約10分でアクセス可能です。開館時間は午前9時から午後4時45分まで、入館料は大人420円、高校・大学生370円、小中学生50円で、団体割引もあります。

上山城は、その豊かな歴史と美しい景観から、多くの観光客に愛されています。訪れることで、かつての大名の暮らしや文化に触れる貴重な体験が得られることでしょう。

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