上岡一嘉

上岡 一嘉について

上岡一嘉（かみおか かずよし、1919年12月28日 - 1991年3月6日）は、日本を代表する経済学者であり、特にマーケティングに関する研究で知られる人物です。彼は栃木県足利市に生まれ、父親の上岡長四郎と母親の上岡た津は足利学園の創設者であり、教育に対する深い理解を持つ環境で育ちました。

学歴と職歴

上岡は1938年に栃木県立足利中学校を卒業後、1943年に早稲田大学商学部を卒業し、学業を終えた後は足利学園高等学校で教員として働き始めました。彼のキャリアは早くも1948年にGHQ民間情報局での勤務へと発展し、その後、東京都庁経済局での勤務を経て、1954年には法政大学経済学部および経営学部に講師として迎えられました。

1966年からは青山学院大学に移り、教授として教壇に立ちました。さらに1976年には足利学園理事長に就任し、同年に白鷗女子短期大学の2代目学長となりました。1986年には白鷗大学の設立が認可され、初代学長として大学を牽引することとなりました。彼の影響力は、学問だけでなく、教育機関の運営にまで多岐にわたりました。

マーケティング分野への貢献

上岡の専門はマーケティングで、1966年には『マーケティングの技術』が日本商業学会賞を受賞しました。彼の研究は、企業が市場で成功するための戦略を見出す手助けをしており、多くの著作を通じてその知識を広めました。

著書には『消費者はこうして作られる』（1957年）、『マーケッティング 新しい販売の技術』（1957年）、『マーケティング・サーベイ 13業種の実例と利用法』（1963年）など、多岐にわたるテーマが取り上げられています。特に、『市場実査の技術』では、調査手法とその実用性を詳しく解説し、実務者の間で広く読まれました。

著作と翻訳

上岡は自身の研究成果を基にした著作の他にも、翻訳書や共著書も多く手がけています。例えば、C.O.ウェリントンの『わかりやすい予算統制』や、ウォルター・ギルドによる『マーケッティングに成功する秘訣』などが挙げられます。これらの書籍は、マーケティングや経済に関する知識の普及に寄与しました。

まとめ

上岡一嘉の業績は、マーケティングが日本において重要な学問分野として発展していく上で多大な影響を与えました。彼の指導のもと、多くの学生が育ち、現在の日本のビジネス環境においても彼の考え方や研究成果が色濃く反映されています。上岡の功績は、彼が残した著作や教育を受けた多くの経済学者たちによって、今なお生涯が語り継がれています。

もう一度検索