上村盛治

上村 盛治（うえむら せいじ）の生涯

上村盛治は、1885年5月1日に兵庫県川辺郡立花村で生まれました。彼は大地主の家庭で育ち、政治の道を志すようになりました。父の上村文三郎は、1883年から1903年まで県会議員として活動し、その影響を受けたのでしょう。

彼は明治大学の法学部を卒業後、大阪新報で記者として働いた後、立花村会、尼崎市会、兵庫県会の議員を経て、1922年6月23日に尼崎市長に就任しました。彼は当時日本で最年少の市長として知られ、若い政治家の実力を示しました。彼の市長任期は1922年から1928年の1月22日まで続きました。

川辺郡立花村からの出発

上村は大地主の家庭に生まれ育ったため、早くから地域の発展に関心を持ちました。彼は地域のために尽力し、特に教育の重要性を強く認識していました。任期中、県立中学校の設立を強く求める声が上がり、上村は1916年に県に対して設置を陳情しましたが、財政難を理由に受け入れられませんでした。

そこで、彼は市民運動を起こし、自ら中心となって市立中学校の設立を目指しました。この活動には、地域の運送業者佐古寛一の協力を得て行われ、「芝居」の興業によって資金を調達するなど、市民全体が参加しました。その結果、1923年に待望の尼崎市立尼崎中学校（現在の兵庫県立尼崎高等学校）が創立されました。

但馬棄民発言

上村はその活動の中で、政治家としての力量を示す一方で、その言動が物議を醸すこともありました。1918年に発生した北但大水害の際、彼は県会で復旧・復興に費用をかけるよりも、被災者を「朝鮮あるいは北海道に移住させる方が良い」と提案しました。この発言は時代背景を考慮に入れると問題が多く、被災者の立場に配慮しない不適切な発言として批判を浴びました。

終焉と評価

上村盛治は1946年4月9日に逝去しましたが、彼の政治活動は後の世代に大きな影響を与えました。特に地域教育に対する情熱や実行力は、その後の尼崎市の発展に寄与したと評されています。彼の取り組みが市民の強い支持を受けたのは、その先見性と情熱によるものであったと受け止められています。

上村盛治の存在は、今もなお兵庫県の歴史に刻まれており、地域の発展に寄与する政治家のモデルとして語り継がれています。彼の業績については、尼崎地域の歴史を知る上で欠かせない重要な要素となっています。

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