上條安里

上條 安里（じょうじょう あんり）

上條安里は1962年生まれの日本の著名なセットデザイナーです。東京都に生まれ、現在は美術デザイン会社サンク・アールの取締役副社長として活躍しています。彼のキャリアは、テレビCMの美術担当からスタートし、徐々に映画やアニメの分野へと広がっていきました。

来歴

彼の美術デザインにおける初の重要な参加は、映画『7月7日、晴れ』です。この作品は1996年に公開され、彼にとって映画業界への登竜門とも言えるものとなりました。しかし、より大きな注目を浴びるきっかけとなったのは、2005年公開の『ALWAYS 三丁目の夕日』です。この作品で彼は第29回日本アカデミー賞最優秀美術賞と第60回毎日映画コンクール美術賞を受賞し、その名が広まりました。その後、彼のスタイルや技術は多くの作品において評価されるようになりました。

特に印象に残るのは、アニメ映画『サマーウォーズ』における美術デザインです。この作品では、インターネット上の仮想世界「OZ」を描写し、視覚的に魅力的な空間を創り上げたことが高く評価されました。タッチが多様で、現代的なセンスを持ちつつも、どこか懐かしさを感じさせる独自のスタイルが上條の特徴でもあります。

主な作品

上條安里が携わった数多くの作品の中から、以下のいくつかを挙げてみます：

• - 『7月7日、晴れ』（1996年）
• - 『ジュブナイル』（2000年）
• - 『Returner リターナー』（2002年）
• - 『ALWAYS 三丁目の夕日』（2005年）
• - 『ALWAYS 続・三丁目の夕日』（2007年）
• - 『K-20 怪人二十面相・伝』（2008年）
• - 『サマーウォーズ』（2009年、OZ美術デザイン）
• - 『永遠の0』（2013年）
• - 『バケモノの子』（2015年、美術設定）
• - 『ゴジラ-1.0』（2023年）
• - 『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』（2024年、コンセプトデザイン）

このように、彼はさまざまなジャンルの作品に携わってきました。特に、映画やアニメの中で具現化される美術表現は、視覚的なインパクトを持つものが多く、彼のデザインに対する情熱と才能を窺い知ることができます。

受賞歴

上條はその卓越した才能から多くの賞を受賞しています。主な受賞歴としては、以下が挙げられます：

• - ACC特別賞美術賞（1999年）
• - 第29回日本アカデミー賞 最優秀美術賞（『ALWAYS 三丁目の夕日』）
• - 第60回毎日映画コンクール 美術賞（『ALWAYS 三丁目の夕日』）
• - 第38回日本アカデミー賞 最優秀美術賞（『永遠の0』）
• - 第78回毎日映画コンクール 美術賞（『ゴジラ-1.0』）
• - 第47回日本アカデミー賞 最優秀美術賞（『ゴジラ-1.0』）

彼の作品は単に視覚的な魅力を追求するだけではなく、ストーリーに深みを与える重要な要素となっています。上條安里の美術デザインは、観客に感情や想像力を刺激する力を持っており、今後もその活躍が期待されるデザイナーです。

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