上氏

上氏（かみうじ）とは

上氏（かみうじ）は、古代日本の氏族の一つです。主に「かみ」という名称を冠する氏族として、歴史に名を残しています。上氏には、上村主氏（かみのすぐりうじ）、上勝氏（かみのすぐりうじ）、上曰佐氏（かみのをさうじ）の3つの主要な系統があります。

上村主氏（かみのすぐりうじ）

上村主氏は、上氏の中でも特に有力な氏族の一つであり、その本拠地は河内国大県賀美郷（現在の大阪府柏原市）とされています。この地域を中心に勢力を拡大し、古代社会において重要な役割を担いました。『新撰姓氏録』によると、上村主氏は「魏の太祖、武帝の子・陳思王植の末裔」とされており、中国からの渡来系氏族である可能性が指摘されています。

上勝氏（かみのすぐりうじ）

上勝氏も上氏を構成する氏族の一つですが、その出自や本拠地については、上村主氏ほど明確には特定されていません。しかし、『新撰姓氏録』には「多利須須自り出づ」と記されており、上村主氏とは異なる系統であることが示唆されています。上勝氏もまた、古代社会において一定の勢力を有していたと考えられます。上勝氏の本拠地は上村主氏と同じく、河内国安宿郡と渋川郡にあった賀美郷と推測されています。

上曰佐氏（かみのをさうじ）

上曰佐氏は、上氏の中でも比較的に記録の少ない氏族です。しかし、『新撰姓氏録』には「久爾能古使主自り出づ」とされており、独自の出自を持つことがわかります。上曰佐氏もまた、古代社会の一翼を担っていたと考えられますが、具体的な活動や勢力範囲については、今後の研究が待たれるところです。本拠地は上村主氏と同じく、河内国安宿郡と渋川郡にあった賀美郷と推測されています。

氏族の出自に関する考察

『新撰姓氏録』における上氏の出自に関する記述は、それぞれの氏族が異なるルーツを持つことを示唆しています。上村主氏が中国系の出自を持つ可能性が指摘される一方で、上勝氏や上曰佐氏は日本古来の氏族との関連が示唆されています。これらの記述は、古代における氏族の多様性と複雑な関係性を理解する上で重要な手がかりとなります。

まとめ

上氏は、上村主氏、上勝氏、上曰佐氏という3つの系統からなる古代日本の氏族であり、それぞれ異なる出自を持ち、古代社会において重要な役割を果たしました。これらの氏族の研究は、古代日本の歴史を理解する上で欠かせない要素であり、今後の更なる研究の進展が期待されます。

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