上海城隍廟

上海城隍廟（シャンハイじょうこうびょう）は、上海の黄浦区に位置し、豫園や豫園商城に隣接する有名な観光地です。地元の人々からは「老城隍廟」という愛称で親しまれており、道教の正一教における重要な宮観（道教寺院）としての役割も担っています。

その起源は金山神廟に遡ります。元々は漢代の大司馬であった霍光を祀る廟でしたが、明の永楽年間に改築され、城隍廟となりました。廟内には、霍光、秦裕伯、陳化成の三体が「上海三大城隍」として祀られています。これらの神々は、それぞれ異なる時代に上海の守護神として崇められてきました。

清の道光年間には、老城隍廟は最盛期を迎え、その占有面積は約50畝（ムー）にまで達しました。広大な敷地内には、数多くの殿堂や庭園が設けられ、多くの人々が参拝に訪れました。しかし、文化大革命の時代に、老城隍廟は大きな打撃を受けます。襲撃により神像は破壊され、廟の建物は他の用途に転用されてしまいました。

1994年、老城隍廟は修復され、再び道教の寺院としてその姿を取り戻しました。現在では、霍光殿、甲子殿、財神殿、慈航殿、城隍殿、娘娘殿などの殿堂を有し、総面積は約1,000平方メートルとなっています。これらの殿堂には、それぞれ異なる神々が祀られており、様々な願い事をする人々が訪れます。

老城隍廟の周辺は、廟や寺の縁日を中心に、上海で最も古い商業地区として発展しました。現在では、多種多様な軽食レストラン、骨董品店、日用雑貨店などが軒を連ね、常に多くの人々で賑わっています。特に、小籠包、梨膏糖、五香豆などの食品は、老城隍廟の名物として知られています。これらの食品を求めて、地元の人々だけでなく、観光客も多く訪れます。

老城隍廟は、単なる観光地としてだけでなく、上海の歴史と文化を伝える重要な場所でもあります。その歴史的な背景や美しい建築、そして周辺の活気ある商業地区は、訪れる人々を魅了し続けています。上海を訪れた際には、ぜひ老城隍廟に足を運び、その魅力を体験してみてください。

もう一度検索