上田交通7200系電車

上田交通7200系電車

上田交通7200系電車は、上田交通（現・上田電鉄）が老朽化した5000系・5200系を置き換えるために導入した通勤形電車です。親会社であった東急電鉄から7200系を譲り受け、1993年にモハ7251-クハ7551からモハ7255-クハ7555までの10両が上田の地を踏みました。

概要

7200系は、上田交通にとって初の冷房車であり、導入によって長野県下の私鉄では初めて冷房化率100%を達成しました。これは、沿線住民にとって快適な鉄道利用を提供する上で大きな前進となりました。

構造と改造

入線に際しては、東急長津田車両工場で改造が施されました。主な内容は暖房能力の強化と車両番号の変更で、比較的小規模なものでした。クハ7551は東急時代に電動方向幕を装備していましたが、側面のものは撤去され、正面のものも手動式に復元されました。外観は、東急時代の正面赤帯から、緑の濃淡の帯が車体全周に巻かれ、新たな装いとなりました。

7200系には東洋電機製造製と日立製作所製の電装品を搭載した車両が存在しますが、上田交通に譲渡された車両のうち、モハ全車とクハ4両が東洋製、クハ1両（クハ7554）のみが日立製でした。

沿革

運行開始とワンマン化

1993年5月28日に運行を開始した7200系は、5000系と5200系を置き換え、別所線の近代化に大きく貢献しました。東急時代には常用していた回生制動は、別所線の変電所が対応していないため使用を停止し、空気ブレーキのみを使用しました。

1997年には別所線でワンマン運転が開始されたことに伴い、全編成にワンマン運転対応工事が施されました。車内には運賃箱や整理券発行機が設置され、運転台にはワンマン運転用の機器が追加されました。また、運転室と客室の間の仕切り扉がスライド式に交換されました。

上田電鉄の発足と外観の変化

上田電鉄発足直前の2005年1月には、地域活性化事業の一環として7253編成が「丸窓電車」のイメージを再現したラッピング車両に改装され、「まるまど号」として運行を開始しました。同年4月には愛称が「まるまどりーむ号Mimaki」に変更され、車内は木目調に改装、一部の側窓が楕円窓状に装飾されました。車体色はクリーム色と紺色のツートンカラーに変更され、中吊りには「丸窓電車」の現役時代の写真が展示されました。その後、7255編成も同様に改装され、「まるまどりーむ号」は2編成体制となりました。

一方、7254編成は帯を撤去し、東急在籍当時と同様の姿となりました。当初は期間限定の予定でしたが、好評のためそのままの姿で運用されました。残る7251・7252編成は帯色がクリーム色と紺色に変更され、7200系は「まるまどりーむ号」仕様、東急在籍当時の姿、上田電鉄標準仕様の3種類の姿を持つことになりました。

新型車導入に伴う廃車

2008年3月には、元東急1000系4編成の導入と引き換えに、7200系3編成を廃車することが発表されました。同年3月15日のダイヤ改正後、7251編成が運用を離脱し、豊橋鉄道へ譲渡されました。その後、7252編成と7254編成も運用を離脱し、モハ7252・7254の2両は東急車輛製造へ譲渡され、構内用牽引車として使用されました。

2009年12月以降は、7253・7255編成の2編成が「まるまどりーむ号」として在籍していましたが、2014年9月27日をもって7253編成が運用を離脱し、解体されました。7255編成は引き続き運用されていましたが、2018年5月12日に引退し、7200系は形式消滅となりました。

引退後、クハ7555はイベント展示を経て、モハ7255とともに千葉県市原市内の私有地に静態保存されています。

その他

上田市の別所線存続プロジェクトチームのキャラクターは、7200系がモデルとなっています。また、映画『サマーウォーズ』に登場する列車は「まるまどりーむ号」がモデルとなっています。

7200系は、上田交通、そして上田電鉄の歴史において、重要な役割を果たした車両です。その功績は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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