上田真

上田真（Makoto Ueda）について

上田真（うえだ まこと、1931年5月20日 - 2020年8月19日）は、アメリカで活躍した日本文学の研究者であり、特に日本の詩歌に関する権威として知られています。兵庫県に生まれた彼は、1954年に神戸大学の文学部を卒業後、1962年にワシントン大学で博士号を取得しました。その後、トロント大学の教授を経て、スタンフォード大学にて日本文学の名誉教授として教鞭を執りました。

学問的背景と専門

上田の専門は、日本の詩歌、特に俳句、短歌、川柳です。彼は多くの著作を残し、自由な視点から日本文学を比較文学の観点で探求しました。彼の研究スタイルは、単なる分析に留まらず、日本の文化や歴史を背景に持ちながら、文学の豊かさを広く探求するものでした。

主要な著作

上田は数多くの著書を持ち、以下は彼の代表的な作品です。

• - Matsuo Basho: The Master Haiku Poet (1970): 芭蕉の俳句の魅力を探る本。
• - 日本の文学理論 明治書院 (1975): 日本文学の理論についての論考。
• - Modern Japanese Haiku, an Anthology (1976): 現代俳句のアンソロジー。
• - Basho and His Interpreters: Selected Hokku With Commentary (1992): 芭蕉の俳句に関する選集。
• - Far Beyond the Field: Haiku by Japanese Women (2003): 日本女性による俳句の作品集。
• - Dew on the Grass: The Life and Poetry of Kobayashi Issa (2004): 小林一茶の人生と詩についての著作。

また、共編著としては「The Mother of Dreams and Other Short Stories」や「Modern Japanese Tanka: an anthology」などがあります。これらの作品を通じて、日本文学の様々な側面が明らかにされ、研究が進められました。

影響と関連項目

上田は、俳句や短歌などの日本の詩歌に新たな視点を加え、彼の研究は日本文学の理解を深める上で重要な役割を果たしました。そのため、彼の名前は、松山宣言や正岡子規国際俳句賞など、日本文学における重要なイベントに関連付けられています。彼の業績は今でも日本文学研究の基盤を形成しており、多くの後進の研究者に影響を与えています。

最後に

上田真は存命中、日本文学の発展に寄与しただけでなく、アメリカにおける日本文学の普及にも貢献しました。2020年8月の死去まで、長年にわたって日本の詩歌を愛し、その実践と理論を探求し続けた彼の足跡は、今後も多くの人々に受け継がれることでしょう。

もう一度検索