上田芳央

上田 芳央（うえだ よしお）は、1951年4月24日に奈良県で生まれた元アマチュア野球の投手です。

浪商高等学校で野球部に所属した上田氏は、チームのエースとして重要な役割を担いました。1968年の秋季近畿大会では、チームを牽引して勝ち進みました。準々決勝では、のちにプロの世界へ進む箕島高校の島本講平投手との投げ合いを制して勝利を収めます。しかし、準決勝では、渋谷通選手を打線の中心とする平安高校に惜敗しました。この活躍により、翌1969年春の選抜高等学校野球大会への出場が決定しました。

甲子園の舞台では、1回戦で日体荏原高校を相手に大勝を収めました。この試合では、投手でありながら自ら満塁本塁打を放つという鮮烈な印象を残します。続く2回戦では、後に甲子園のヒーローとなる三沢高校の太田幸司投手との注目の対決が実現しました。この試合は、両投手が力を尽くす緊迫した投手戦となり、規定の9回では決着がつかず延長戦へ突入。15回にも及ぶ死闘の末、上田氏率いる浪商高校が辛勝を収めました。準々決勝でも、日高晶彦選手らを擁する広島商業高校を退け、準決勝まで駒を進めます。しかし、準決勝では三重高校の上西博昭投手に完封負けを喫し、決勝進出はなりませんでした。同年夏は、甲子園出場を目指して府予選を勝ち進みましたが、決勝で明星高校に0対1の僅差で敗れ、惜しくも夏の甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後、上田氏は明治大学へ進学し、東京六大学野球リーグでプレーしました。大学では、同期の今久留主邦明捕手とバッテリーを組み、チームの主軸として活躍します。1973年秋季リーグでは、チームにとって4年ぶりとなる優勝に貢献し、自身も投手としてベストナインに選出される栄誉に輝きました。また、1972年に開催された第1回日米大学野球選手権大会では、日本代表メンバーにも選ばれています。東京六大学リーグでの通算成績は、42試合に登板して15勝7敗、防御率2.26、奪三振99という記録を残しました。大学時代の他の同期には、投手の井上明氏や遊撃手の樋野和寿氏などがいました。

大学を卒業した上田氏は、社会人野球に進み、最初は三協精機に入社しました。三協精機では、都市対抗野球大会にも出場しています。1974年の大会では1回戦で日本新薬と対戦し先発を務めましたが、味方の守備の乱れもあり敗退しました。翌1975年の大会にも連続で出場を果たしました。その後、上田氏は朝日生命へと所属チームを移し、社会人野球でのキャリアを続けました。

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