上甲秀男

上甲 秀男

上甲 秀男（じょうこう ひでお）氏は、1947年11月20日に愛媛県で生まれました。プロ野球の世界では外野手として登録されましたが、そのキャリアの大部分をアマチュア野球で過ごしました。特に社会人時代には、その打撃力で注目を集めました。

アマチュア時代

高校は地元愛媛県の北宇和高校に進学。高校球児として、主に外野手としてプレーしましたが、捕手としてもマスクをかぶるなど、複数のポジションをこなせるユーティリティ性も持ち合わせていました。高校卒業後、電電四国に入社し、社会人野球の世界へと進みました。

電電四国では、チームの主力外野手として活躍。特に1970年の都市対抗野球四国予選では、その打棒が大いに光りました。わずか5試合の間に3本のホームランを放つという驚異的なパフォーマンスを見せ、自チームの勝利に貢献。中でも、松山球場で行われた試合では、バックスクリーンへ向かって一直線に突き刺さるような強烈なライナーを放つなど、並外れた長打力の片鱗を見せつけました。

残念ながら、所属する電電四国はその年の都市対抗野球本大会への出場を逃しましたが、上甲氏はその予選での活躍が評価され、同じ四国地区代表である四国電力の補強選手として、東京ドームの前身である後楽園球場で行われる本大会への切符を手にしました。本大会では2本のヒットを記録し、全国の舞台でも安打を放つなど、アマチュア球界での実力を示しました。この時の補強選手チームには、後にプロ野球選手として長く活躍することになる弘田澄男氏（当時は四国銀行所属）も名を連ねていました。

プロ入りと阪神タイガースでのキャリア

社会人野球での確かな実績と将来性が期待され、1970年秋に行われたプロ野球ドラフト会議において、上甲秀男氏はセントラル・リーグの阪神タイガースから7位指名を受けました。そして、プロ野球選手としての第一歩を踏み出し、タイガースに入団しました。

阪神タイガースには、1971年から1972年までの2年間在籍しました。入団当初に与えられた背番号は「35」でした。プロの世界は厳しく、残念ながら、この期間中に一軍の公式戦に出場する機会に恵まれることはありませんでした。ファームでの調整や練習を重ねましたが、夢であったプロの一軍の舞台に立つことなく、わずか2年という短期間でプロ野球選手としてのキャリアに幕を下ろすことを決断し、1972年に現役を引退しました。

その後

プロ野球選手としての現役生活は短く、一軍での記録を残すことは叶いませんでしたが、アマチュア時代に見せた長打力と複数のポジションをこなす能力は、確かに光るものがありました。特に社会人時代の都市対抗予選での活躍は、当時の野球ファンの記憶に残るものだったと言えるでしょう。プロ引退後の活動については、公にされている情報が多くはありませんが、野球界とは異なる道に進まれたものと推測されます。

プロ野球選手としてはわずかな期間の在籍でしたが、上甲秀男氏もまた、日本のプロ野球史に名を刻んだ一人です。彼の経歴は、多くの選手がプロの道を志し、厳しい競争の中で奮闘した時代の一断面を示しています。

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詳細情報

登録ポジション: 外野手
プロ入団: 1971年（1970年ドラフト7位）
プロ最終年: 1972年
背番号: 35（1971 - 1972）
年度別打撃成績 (一軍): 出場無し

関連項目

阪神タイガースの選手一覧
* 都市対抗野球大会

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