上石津パーキングエリア

上石津パーキングエリアについて

上石津パーキングエリアは、岐阜県養老郡上石津町（現在の大垣市）に位置する、名神高速道路の一部として1964年に開通しました。このエリアは、西宮方面の下り線にのみ設置されており、特に降雪時には周辺の関ヶ原地域へのアクセスを考慮した重要な役割を果たしていました。

役割と機能

このパーキングエリアは、降雪による道路状況の悪化を受けて、ドライバーがタイヤチェーンを装着するための場所として利用されていました。特に関ヶ原は冬季に雪の影響を受けやすく、上石津PAはその対策としての重要性が強かったのです。しかし、このエリアにはトイレや自動販売機といった基本的な施設は備わっておらず、本線への誘導路も非常に短かったため、利便性には欠けていました。

歴史的変遷

上石津パーキングエリアは、1978年に関ケ原から彦根IC間のルート変更があった際、旧ルートが新しいルートに置き換わることになります。この際、旧ルートの跡地は、臨時のタイヤチェーン装着場としての役割を担うこととなりました。その後も近年には、関ヶ原地区の高速道路本線に融雪装置が設置されるなど、雪への対策が進みました。これにより、一部区間でのチェーン規制が行われなくなったことから、上石津PAは次第に利用されなくなっていきました。

最終的に、2001年12月20日にはこのパーキングエリアが廃止され、その後は日本道路公団（現・中日本高速道路株式会社）の管理用施設へと転用されました。上石津PAの廃止は、冬季における雪対策が進化したことを背景にしています。

施設の概要

上石津パーキングエリアには、非常に限られた施設が整備されていました。駐車場は身体障害者用のスペースが1台分のみあり、ゴミ箱は設置されていましたが、分別はされていませんでした。また、簡易トイレが設けられていたこともありましたが、これは一時的なもので、根本的なトイレ施設は存在していませんでした。こうした状況も、利用者が少ない一因だったかもしれません。

現在の状況

現在では、上石津パーキングエリアは中日本高速道路株式会社による管理用の施設として利用されているため、かつての賑わいは見る影もありません。かつて利用されていたタイヤチェーン装着場の役割は、他の新たなインフラによって引き継がれており、歴史の中で重要な位置を占めていたこのエリアは今、静かな佇まいを見せています。このように、過去の利用目的から変わり、現代の高速道路事情の中で新たな役割を模索することを余儀なくされているのです。

上石津パーキングエリアは、今ではその存在があまり知られていないものの、岐阜県の高速道路の歴史の一端を担っていたことは間違いありません。

もう一度検索