上級大佐

上級大佐とは

上級大佐（じょうきゅうたいさ）は、軍隊の階級の一つです。佐官に区分され、少将の下、大佐の上に位置します。北大西洋条約機構（NATO）階級符号ではOF-6に相当しますが、国によっては名誉階級として扱われることもあります。

各国の状況

上級大佐に相当する階級は、国によって異なり、歴史的背景や軍隊の制度によって様々な形態が見られます。

中国

中国人民解放軍では、大校（Dàxiào）が上級大佐に相当するとされることが多いです。日本における大佐は、上校（Shàngxiào）に相当します。

北朝鮮

朝鮮人民軍では、대좌(大佐、Taejwa)が上級大佐に相当します。日本における大佐は、上佐（じょうさ）とされます。

ベトナム

ベトナム人民軍では、Đại tá(大佐)が上級大佐に相当します。日本における大佐は、Thượng tá(上佐)に相当します。ベトナムでは、1948年の階級制度導入時に日本軍に倣った佐官三階級制でしたが、1958年に北朝鮮の制度を参考に上級大佐Thượng cấp Đại táが設置されました。その後、1982年に上級大佐が廃止されて三階級制に戻り、1990年に大佐が大佐と上佐に分割され、再び佐官四階級制となりました。

イギリスおよび英連邦諸国

イギリスおよび英連邦諸国では、以下の階級がNATO階級符号OF-6に相当し、他のNATO加盟国の准将に相当しますが、英軍においては佐官の最上級として扱われます。そのため、日本語ではこれらを上級大佐と訳すことがあります。

陸軍：Brigadier
海軍：Commodore（海軍代将）
空軍：Air Commodore
海兵隊：Brigadier

1921年に最下級の[将官]]であるBrigadier generalが廃止され、代わりに旅団長に就任した大佐の職位として上級[[大佐]が制定されました。1928年に現在の呼称に改められています。

ドイツ

ドイツについては、親衛隊上級大佐の項を参照してください。

サウジアラビア

イギリス軍式の階級制度を採用しているサウジアラビアでは、(アラビア語:عميد)という階級があり、英語表記ではBrigadier Generalとされます。階級章は佐官を意味する王冠のような記号に星三つで表され、佐官と同じ分類がされています。

ノルウェー

ノルウェーでは1997年まで上級大佐に相当する階級が存在していました。陸軍および空軍のOberstⅠ、海軍のKommandørⅠがそれにあたります。現在は陸軍および空軍はBrigadier、海軍はFlaggkommandørに改称され、階級章も佐官のものから将官のものに変更されています。

アフリカ諸国

チュニジア、モロッコ、コートジボワールなどのアフリカ諸国では、フランス式の階級制度を基本としていますが、准将と上級大佐が併存している場合があります。

まとめ

上級大佐は、国や時代によってその位置づけや役割が異なる興味深い階級です。各国の軍隊制度や歴史的背景を理解することで、より深く上級大佐について知ることができます。

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