上野みなみ

上野みなみ：日本の自転車競技界に輝きを刻んだ女性アスリート

上野みなみ（うわの みなみ）は、1991年5月18日生まれ、青森県八戸市出身の元自転車競技選手です。彼女は、日本の女子選手として、オリンピック・世界選手権の自転車競技全種目を通じて史上初のメダルを獲得したことで、その名を歴史に刻みました。

競技との出会いと高校時代の活躍

上野選手が自転車競技を始めたのは、大学で自転車競技をしていた兄の影響を受け、高校入学後のことでした。その才能はすぐに開花し、2009年の全国高等学校選抜自転車競技大会では、個人ロードレース、2kmポイントレース、6kmスクラッチレースのすべてを制覇。女子中長距離種目での完全制覇という偉業を成し遂げました。

同年6月には、ジュニアオリンピックカップで最優秀選手に選出され、全日本自転車競技選手権大会タイムトライアルではエリート個人タイムトライアルで3位入賞を果たしました。そして、同年8月には、モスクワで開催されたジュニア世界選手権自転車競技大会トラック・ポイントレースで、日本人女子選手として初となる銅メダルを獲得し、世界にその名を知らしめました。

大学・大学院での研鑽と更なる飛躍

鹿屋体育大学、同大学院へと進学した上野選手は、競技者として更なる成長を遂げます。

2011年には、第31回アジア自転車競技選手権大会・トラック オムニアムで3位、世界選手権トラック・ポイントレースで4位入賞。全日本自転車競技選手権大会タイムトライアル・ITTでは2位となりました。また、同年の全日本選手権トラック・団体追抜では、加瀬加奈子、田畑真紀とのトリオで優勝し、同種目の初代優勝者として名を刻みました。

2012年の第32回アジア自転車競技選手権大会では、トラック団体追抜と個人タイムトライアルで2位。全日本選手権トラック・個人追抜では見事優勝を果たしました。2013年の第33回アジア自転車競技選手権大会でも、団体追抜、ポイントレースで2位、オムニアムで3位と、数々の好成績を収めました。

世界選手権での銀メダル獲得とプロチーム加入

2015年、上野選手は、世界選手権トラック・ポイントレースで2位に入賞し、銀メダルを獲得しました。これは、日本の女子自転車競技選手として、オリンピック・世界選手権の自転車競技全種目を通じて史上初のメダル獲得という快挙でした。

2016年には、大学院修了後、新設されたプロチーム「シエルブルー鹿屋」に加入。Trophee d'or Feminin(UCI2.2) 第5ステージで2位、UCIトラックワールドカップ2016~2017では、第1戦(イギリス)女子エリート・スクラッチと第2戦(オランダ)女子エリート・ポイントレースで、それぞれ2位に入賞しました。

引退、そして新たな道へ

2021年1月6日、上野選手は同年3月限りでの現役引退を発表しました。引退の理由として、目標としていた鹿児島国体が新型コロナウイルス流行の影響で2023年に延期されたことで、「そこまで気持ちと身体を良い状態でキープできるか保証できない」と考えたことを明かしています。

引退後、上野選手は、2021年12月10日から始まった第90回全日本自転車競技選手権トラックのYouTube公式配信で解説を務めるなど、新たな道に進んでいます。

上野みなみ選手は、その輝かしい功績と、常に前向きな姿勢で、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。

もう一度検索