上野戦争

上野戦争の概要

上野戦争（うえのせんそう）は、1868年5月15日（慶応4年5月15日）に江戸の上野で行われた戦闘で、戊辰戦争の一環として位置づけられています。この戦いは、旧幕府軍である彰義隊と新政府軍、特に薩摩[[藩]]と長州藩を中心とする勢力との間で展開されました。

背景

戊辰戦争の始まりは、1868年1月に起こった鳥羽・伏見の戦いです。この戦闘で旧幕府軍は新政府軍に敗北し、徳川慶喜は江戸を離れ、上野寛永寺にて謹慎することになります。そして新政府軍は、江戸への東征を進めることになります。江戸城では、保守派と恭順派の対立が続いていましたが、薩摩[[藩]]の西郷隆盛と幕府陸軍総裁の勝海舟との会談により、江戸城の無血開城が決定しました。これにより、旧幕府の軍勢として散発的な抗戦を試みた彰義隊が結成されました。

彰義隊の台頭

彰義隊は旧幕府の若手軍士たちにより結成され、彼らは当初本願寺に本拠を置いていましたが、後に上野へと移しました。新政府軍が進軍する中、彰義隊の中でも強硬派が台頭し、最終的に徳川家の神社である寛永寺を拠点としました。彼らは、徳川家の正統性を主張するために輪王寺宮を擁立しました。

戦闘の準備と経過

5月13日、新政府軍は旧幕府軍に対して討伐命令を出しました。翌日、攻撃開始の準備が整うと、長州藩の大村益次郎が指揮を執りました。大村は右翼、中部、左翼に分かれて兵を配置し、彰義隊の退路を封じる作戦を展開しました。

5月15日、朝7時ごろに戦闘が開始されました。新政府軍と彰義隊は、雨の中で衝突しましたが、新政府軍は火力に優れ、式銃を使い彰義隊に攻撃を仕掛けました。戦闘は午後まで続きましたが、彰義隊は退却を余儀なくされ、結果的にほぼ全滅してしまいました。

戦後の影響

上野戦争の結果、新政府軍は江戸とその周辺を掌握することとなりました。彰義隊の生き残りは、輪王寺宮と共にしばらく隠れていた後、海を渡り平潟港に上陸しました。彼らの残党は、会津や他の地域へと逃げ延び、旧幕府勢力は北関東や東北方面へと分散していきました。

戦闘中に発生した火災は寛永寺に重大な損害を与え、主要な建物が焼失しました。現在でも、戦闘の足跡を物語る場所や遺品が残されています。

まとめ

上野戦争は、戊辰戦争の中で旧幕府の最期を象徴する重要な戦闘でした。その結末は日本の歴史に影響を与え、様々な議論を呼び起こしました。この戦いは、旧勢力が新興勢力に劣る宿命を示すものであり、幕末から明治へと続く時代の変革の一端を物語っています。

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