上野衣子

上野衣子の生涯と業績

上野 衣子（うえの きぬこ、旧姓：中村）は、1919年7月23日に大阪市で生まれ、2013年12月5日に94歳という長い人生を全うした日本のフィギュアスケート界の著名な人物です。彼女は選手としてだけでなく、コーチや国際スケート連盟の公式審判員としても大きな貢献をしました。特に彼女の家族もフィギュアスケートに関わりを持ち、長女の平松純子は現役選手から審判へと転身したことでも知られています。

フィギュアスケート選手としての道

上野は、稲田悦子や山下艶子らと同じく、著名なコーチである永井康三に指導を受けました。彼女の競技キャリアは1934-1935年シーズンに突入し、第6回全日本ジュニア選手権で優勝を果たすことから始まりました。その後も順調に成績を残し、1936-1937年シーズン、第8回全日本選手権と次のシーズンの第9回全日本選手権で共に3位を獲得。また、1938-1939年シーズンには第10回全日本選手権で2位に輝きました。これにより、上野は日本国内でフィギュアスケーターとしての地位を築いていきましたが、1940年に予定されていた札幌オリンピックの開催が中止されたため、彼女のオリンピック出場は果たせませんでした。

コーチとしての活動

戦後、上野はフィギュアスケートのコーチとしてのキャリアをスタートさせました。彼女は神戸フィギュアスケーティングクラブと神戸ポートアイランドフィギュアスケーティングクラブの設立に大きく貢献し、これにより地域のフィギュアスケート振興に寄与しました。さらに、上野は国際スケート連盟の公認審判員として、1972年の札幌オリンピックではアシスタントレフェリーを務め、1980年のレークプラシッドオリンピックでも審判員として活動しました。これにより、彼女は国際的なスケート界でもその評価を確立しました。

学術的な活動

また、上野は教育にも力を注ぎ、神戸女子薬科大学で教授としての役割も果たしました。このように、彼女はフィギュアスケートだけでなく、教育の現場でも多くの学生に影響を与えました。

著書

彼女はフィギュアスケートの指導法についても、著書を出版しています。特に「フィギュアスケート: 図解コーチ」（成美堂出版、1984年）は彼女の知識と経験を活かした内容で、後進の指導者や選手たちに多くの示唆を与えました。

まとめ

上野衣子はフィギュアスケートの選手としての成功を収めるだけでなく、長いキャリアを通じてフィギュアスケート界に多大な貢献をした人物です。彼女の賞歴や教育活動は、今も多くの後進に影響を与え続けています。94年の生涯の中で、彼女が築いた業績は日本のフィギュアスケートの発展に大きく寄与しました。彼女の存在は、今後も多くの選手たちにとっての指標となることでしょう。

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