下原駅

下原駅の概要

下原駅（しもはらえき）は、埼玉県狭山市に位置し、西武鉄道池袋線に属していた貨物駅です。この駅は、武蔵藤沢駅と稲荷山公園駅の間にあり、稲荷山公園駅の近傍に存在していました。駅の位置は、航空自衛隊入間基地の近くにあり、池袋方面からの進入時にはカーブを描く地点にありました。

駅の構内は、上り本線に並行して側線が2本設けられ、本線との交差部分には連絡線も存在しました。駅の南側には、基地内に向かう専用線が接続しており、外見上はこの専用線が駅の延長であるかのように見えました。さらに、駅の北端は稲荷山公園駅の手前、基地内の踏切の近くに位置しており、非常に特異な形状をしていました。

歴史

下原駅は1945年11月20日に開業しました。この開業は在日米軍のジョンソン基地が設立されたことに伴い、資材運搬用の専用貨物駅としての需要から生まれたものでした。その後、1982年には廃駅となり、長い歴史を経てこの役割を終えました。

基地は1963年に日本に返還され、航空自衛隊入間基地として再編されましたが、下原駅はその後も利用されていました。しかし、1982年に廃止されて以降、次第に使用されなくなり、放置されるようになった駅でした。

廃駅後の状況

廃駅となった後、駅の線路はしばらくの間撤去されず、荒れ果てた状況が続きましたが、やがて上り本線との連絡線は撤去されることとなりました。残された側線は一部が廃止され、また一部は近年まで存続していました。しかし、2005年頃からは線路の全面撤去が始まり、跡地はアスファルト舗装を施され、入間基地内の道路として利用されるようになりました。

現在、下原駅の跡地は入間基地の一部として利用され、周囲には鉄格子のフェンスが設けられています。このため、一般の人々が近づくことはできません。基地の内部には、かつての側線が存在していた場所にいくつかの駐車場があり、一見するとその名残を感じさせますが、詳細は知る由もありません。

まとめ

下原駅はその歴史の中で、軍事基地に付随する重要な役割を果たし、資材輸送の拠点として一定の機能を持っていました。廃駅となった後も、その跡地が入間基地の一部として使われていることから、歴史的な背景を持ち続けている場所と言えるでしょう。かつての駅の存在を知る人々にとって、その記憶は今でも色濃く残っているのです。

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