下山バイパス

下山バイパスの概要

下山バイパス（しもやまバイパス）は、京都府船井郡京丹波町下山から富田までの約4.0kmをカバーする国道27号のバイパス道路です。このバイパスは、山間部を通る旧道の狭さやカーブの多さから生じる通行の危険性を軽減するために整備されました。

旧道の課題

旧道は高屋川に沿った狭い道で、通行規制が設けられています。特に異常気象時には連続して150mm以上の降雨があった場合、3.3kmの区間が通行止めとされる危険な道路でした。また、急傾斜の地形が影響し、歩道の整備が行き届いていないことから、通学路として利用することに課題がありました。こうした理由から、旧道の改善が強く求められていたのです。

バイパスの整備過程

下山バイパスの整備は、1984年度の事業化から始まりました。1988年には都市計画が決定され、1991年度には工事が本格化。1998年には部分開通し、その後も着実に工事が進められ、2009年には全線が開通しました。2015年には並行する旧道が京都府道80号に指定され、さらなる地域交通の整備が進められています。

設計と規格

バイパスは、第3種第2級の道路区分を持ち、設計速度は時速60kmに設定されています。幅員は11.50mから12.75mの範囲で2車線が整備され、車道の幅は3.25m、歩道は3.0mから3.5mの幅が確保されています。特に最小曲率半径は450mとされており、走行の安全性に考慮された設計となっています。

地域活性化の期待

下山バイパスの整備は、京丹波町の総合計画と連動しています。特に下山地区は丹波高原エントランスエリアとして位置付けられ、バイパス沿線では「京都中央テクノパーク」の整備が進められています。これにより、企業誘致活動が活発となり、地域の活性化が期待されているのです。また、バイパスの整備は「丹波高原地域幹線ルート」の一部として、国道27号と京都縦貫自動車道を結ぶ重要な役割を担っています。

開通による効果

下山バイパスの開通により、異常気象時の地域交通の確保が実現しました。これに加え、車や自転車、歩行者にとっての安全性も格段に向上しました。実際、現道での年間渋滞損失時間は約10万（人・時間/年）に達していましたが、バイパスの開通によってこれがほぼ解消されることが見込まれています。事業全体の費用便益比も1.0と算出され、経済的にも利点があるとされています。

このような背景から、下山バイパスは地域の交通インフラとして不可欠な存在となり、今後の発展にも寄与すると期待されています。

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