下山静香

下山静香

下山静香（しもやま しずか）は、群馬県桐生市出身の日本のクラシック音楽ピアニストです。スペイン音楽、特にピアノ音楽のスペシャリストとして知られ、演奏家としての活動に加え、執筆、レクチャー、翻訳など、多岐にわたる分野で活躍しています。

経歴

桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部を卒業後、1995年に津田ホールでリサイタルデビューを果たしました。1999年からは文化庁派遣芸術家在外研修員としてスペインへ渡り、マドリードとバルセロナ（マーシャル音楽院）で研鑽を積みました。

スペイン滞在中は、ロドリーゴ生誕100年を記念したリサイタルをマドリード、アランフェス、バルセロナで開催。また、フラメンコの歌い手であるカルメン・リナレスとの共演で、《恋は魔術師》初版バージョンの演奏会に参加するなど、本場の音楽に触れ、その造詣を深めました。

2003年に帰国後、2004年には後援会グラシアが発足。故・三木睦子が会長、二代目西崎緑が副会長を務めました。2015年からは、郵船トラベル主催の「下山静香とめぐるスペイン 音楽と美術の旅」ツアーシリーズがスタートし、音楽と文化への造詣の深さで人々を魅了しました。

2017年には、クラウドファンディングによりスペインでの演奏会ライブCD・DVDの収録・制作を実現。このCDは『レコード芸術』誌で特選盤に選出され、自身通算4枚目の特選盤となりました。

教育活動にも熱心で、東京芸術大学、東京大学、慶應義塾大学、上智大学、京都外国語大学などで、スペイン・ラテンアメリカ音楽に関するレクチャーコンサートや講座を多数開催。朝日カルチャーセンター湘南教室でもレクチャーコンサート形式の講座を担当しています。現在、桐朋学園音楽学部、東京大学教養学部にて非常勤講師を務める傍ら、NPO法人JML音楽研究所でスペイン音楽ピアノ演奏講座を開講（2012年～）。

日本スペインピアノ音楽学会の立ち上げメンバーであり、2017年度からは副会長を務めています。室内楽や二重奏での活動も積極的に行っており、弦楽器、管楽器、アコーディオン、バンドネオンなど、様々な楽器との共演の他、スペイン舞踊、日本舞踊、朗読など、ジャンルを超えたコラボレーションも展開しています。

スペイン、ラテンアメリカ、イギリスの音楽に関する共著や、『週刊読書人』『図書新聞』『月刊 望星』での書評、情報誌『acueducto』での音楽エッセイシリーズなど、執筆活動も精力的に行っています。また、谷口ジロー、花輪和一、辰巳ヨシヒロ、吾妻ひでおといった日本の漫画のスペイン語版の翻訳も手掛けています。

ディスコグラフィー

《アランフェス 〜スペインの香り〜 下山静香ピアノリサイタル》(2002年)
《ファンダンゴ Shizuka plays イベリアン・バロック》(2004年)
《ペルラ 〜 マイ・フェイヴァリッツ・モーツァルト》(2007年)
《アルベニス名曲集》(2012年)
《モンポウ 前奏曲集 プーランク 夜想曲集》(2012年)
《ショパニアーナ》(2015年)
《サウダージ・エン・ピアノ》(2016年)
《ロマンサ・デ・アモール》(2016年)
《ゴィエスカス》(2017年)
《下山静香 ライブ in アルバラシン》(2017年)

著書

『裸足のピアニスト』(2017年)

共著・執筆参加

『日本・スペイン交流史』(2010年)
『スペイン文化事典』(2011年)
『イギリス検定』(2011年)
『ロンドンを旅する60章』(2012年)
『現代スペインを知るための60章』(2013年)
『マドリードとカスティーリャを知るための60章』(2014年)
『イギリス文化事典』(2014年)
『スコットランドを知るための65章』(2015年)
『スペイン文化読本』(2016年)
『安吾と桐生』(2016年)
『天才たちのつくった音楽の世界』(2017年)

翻訳書

『サンティアゴ巡礼の歴史 伝説と奇蹟』(2012年)

外部リンク

公式ホームページ
* compás de espera

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