下田市立稲梓中学校

下田市立稲梓中学校

下田市立稲梓中学校は、かつて静岡県下田市に存在した市立中学校です。場所は下田市箕作350に位置し、伊豆半島の南、国道414号線沿いの稲梓川と稲生沢川が合流する地点に近い、稲梓駅周辺ののどかな田園風景の中にありました。

概要

2020年時点では、下田市内の4つの中学校の中で最も生徒数が少なく、部活動も4つと最も少ない状況でした。しかし、地域に根ざした教育活動を展開し、生徒たちは勉学に励んでいました。

沿革

設立の経緯: 須原高等尋常小学校が、須原小学校と稲梓小学校の合併に伴い、新たに稲梓中学校として設立されました。
開校: 1947年4月1日、稲梓村立稲梓中学校として開校。当初は須原小学校と稲梓小学校の校舎を間借りして授業が行われました。
校舎建設: 1948年7月、現在の箕作に校舎が完成し、移転しました。
町村合併: 1955年、稲梓村が下田町に合併されたことに伴い、下田町立稲梓中学校と改称されました。
新校舎設立: 1959年3月、老朽化した校舎の改築要望が議会で承認され、1962年8月に鉄筋コンクリート3階建ての新校舎が完成。技術室、理科室、特別教室、水道設備を備えた近代的な校舎となりました。
市制施行: 1971年1月1日の下田市市制施行に伴い、下田市立稲梓中学校と改称されました。
つくし分校: 1973年に開設されたつくし分校は、1979年に閉校しました。
稲作活動: 1980年からは、全校生徒による稲作活動が始まりました。田植えから収穫、脱穀までを生徒たちが一貫して行うというもので、学校の特色ある活動として親しまれました。閉校後は、市立稲梓小学校がこの活動を引き継いでいます。
閉校: 2022年3月31日、下田市の中学校再編により、稲生沢中学校、下田東中学校とともに下田中学校へ統合され、閉校しました。長年の歴史に幕を閉じ、多くの卒業生が母校の閉校を惜しみました。

特徴

グランドデザイン（学校経営の礎）: 「養 英 材」を掲げ、人材育成に力を入れていました。
学校教育目標: 「共に磨き合う生徒」を目標に、生徒同士が切磋琢磨し、成長できる環境づくりを目指していました。

校歌

校歌は1959年に、詩人の大木実氏が作詞、テノール歌手の岩井慎吾氏が作曲しました。PTAが積み立てた資金で制作されたというエピソードがあります。

地域の避難所として

1991年9月10日の集中豪雨の際には、地域住民の避難場所として利用されました。地域社会との連携も大切にしていました。

学区

2021年度までは、稲梓中学校の学区は稲梓小学校の学区と同じでした。

部活動

2017年度時点では、男子はテニス部と卓球部、女子はテニス部とバレーボール部が活動していました。

関連項目

静岡県中学校の廃校一覧

閉校後も、稲梓中学校は地域の記憶として、卒業生や地域住民の心に残り続けています。

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