下石駅

下石駅について

概要

下石駅（おろしえき）は、岐阜県土岐市下石町に位置していた東濃鉄道駄知線の廃駅です。この駅は、地元の交通の要所であっただけでなく、貨物の取り扱いも行っていました。特に、土岐市立土岐高等学校（現在の岐阜県立土岐紅陵高等学校）の最寄り駅として、学生たちの利用が多く見られました。

歴史

下石駅の歴史は1922年1月に始まります。この年、新土岐津駅（現在の土岐市駅）と当駅を結ぶ路線が開業し、駄知鉄道の駅として名を馳せました。10月には、当駅から山神駅への区間も開通し、中間駅としての役割を果たすことになります。1944年3月には、鉄道の合併に伴い東濃鉄道駄知線の駅となり、さらに1972年には、昭和47年7月の豪雨によって発生した橋梁流失の影響により、全線が営業を休止することとなりました。ついには1974年に駄知線が正式に廃線となり、下石駅もその歴史の幕を閉じました。

駅の構造と機能

下石駅は、交換設備や貨物の積み下ろし設備を備えており、その貨物取扱量は当時相当なものでした。ただし、取り扱いされていた貨物は陶磁器そのものではなく、陶磁器の原料となる陶土（粘土）が中心であり、地域産業の一端を支えていました。駅としての機能だけでなく、地域経済においても重要な役割を担っていたのです。

現在の状況

廃駅となった現在、下石駅の跡地は東鉄バスの下石バス停に変わりました。駅跡には東鉄ターミナルの建物が立ち、その内部には待合所や東鉄タクシー下石配車センターが設けられています。また、駅跡の一部は下石郵便局や公民館として利用されており、地域のコミュニティスペースとしての機能も持っています。さらに、かつての線路跡は歩行者専用道路に生まれ変わり、地域住民が利用できるスペースとなっています。

隣接駅

下石駅の隣には、東濃鉄道駄知線の土岐口駅と山神駅がありました。この区域全体の交通の便を支えていたことから、地元住民からも親しまれていた駅であったといえます。

まとめ

下石駅は、その歴史を通じて地域に根ざした重要な交通機関として機能していました。廃駅となった今も、その名は地域の記憶として残りつつ、周辺の場所は新しい命を迎えています。

もう一度検索