下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。

『下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。』

概要

『下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。』は、2009年に上演されたTEAM NACSの舞台作品であり、彼らの第13回公演です。脚本と演出は大泉洋が担当しており、TEAM NACSの他のメンバーがこの役割を担うのは限られた回数しかありませんでした。この作品は、2007年の『ふるさと公演「HONOR〜守り続けた痛みと共に〜」』以来の本公演であり、特に大泉が自ら脚本・演出を担当する機会は、2000年の『FOUR〜求め続けた奴等の革命』や2003年の『ミハル』以来、6年ぶりのことでした。

初稽古は緊張が高く、メンバー間の衝突も多い状況でした。この困難により、大泉は一時TEAM NACSを辞めることも考えていたといいます。結果として、次回の公演からは公演の間隔が長くなることが決定しました。2009年12月4日には、アミューズソフトからDVDが発売され、さらにWOWOWでの放送も行われました。2012年には、この作品を元にしたテレビドラマ『親父がくれた秘密〜下荒井5兄弟の帰郷〜』が制作され、大泉も特別出演しましたが、ドラマはオリジナルのストーリーを織り交ぜた内容となっています。

あらすじ

物語は、下荒井家の父・奏助が亡くなって10年経過したところから始まります。長男の大造、三男の剛助、四男の健二、五男の修一が集まり、音信不通だった次男の大洋が突然帰ってくるのです。兄弟たちは、過去の痛みや家族の絆を取り戻すために、それぞれの思いと向き合います。

個性豊かな兄弟たちが登場し、彼らの抱える様々な問題や葛藤が描かれる中、喪失感や再生のプロセスが丁寧に表現されます。特に、大洋の帰還は家族の関係に波紋を広げ、彼に抱える秘密が明らかになることで、物語は意外な展開を見せます。

主なキャラクター

• - 下荒井大造（演：森崎博之）: 家族の長男で、ギター教室を運営する独身の男性です。
• - 下荒井剛助（演：安田顕）: 三男で、芸能事務所を経営しているが借金に悩む既婚者です。
• - 下荒井健二（演：大泉洋）: 家に引きこもり、盗聴を行う四男です。
• - 下荒井修一（演：戸次重幸）: 大手楽器メーカーで働く五男です。
• - 下荒井大洋（演：音尾琢真）: 家出していた次男で、クレジット会社のヤクザに関わる問題を抱えています。

スタッフと公演日程

本作品は、大泉洋が脚本・演出を手掛けています。その他のスタッフも、舞台の美術や音楽、照明を担当し、質の高い作品を支えました。公演は東京、大阪、福岡、名古屋、仙台、札幌で行われ、全64公演で53,000人を動員しました。特に東京公演は2009年2月から3月にかけて行われ、各地での公演も幅広い観客に受け入れられました。

この作品を通して、家族の絆や人間関係の大切さが強調され、観客に深く感動を与えました。また、全体を通じて大泉洋の独自の視点やユーモアも散りばめられており、楽しさと深みが共存する舞台となっています。

もう一度検索