不動堂遺跡

不動堂遺跡：縄文時代の息吹を感じる場所

不動堂遺跡は、富山県下新川郡朝日町に位置する縄文時代中期の遺跡です。黒部川扇状地に位置し、1974年に国の史跡として指定されました。この遺跡は、縄文時代の人々の生活様式や社会構造を理解する上で、非常に重要な役割を果たしています。

発掘調査で見つかった集落の痕跡

1973年の発掘調査によって、不動堂遺跡からは21棟の竪穴建物と9基の土壙が発見されました。これらの発見は、当時の集落の規模や構造を知る上で貴重な情報源となっています。

巨大な竪穴建物跡：共同作業所の可能性

特に注目されるのは、第2号建物跡と呼ばれる超大型の竪穴建物です。この建物は、長径17メートル、短径8メートルの楕円形をしており、16本の柱で支えられていました。その面積は120平方メートルにも及び、畳70枚を敷けるほどの広さです。

このような大型の建物は、東北地方から北陸地方にかけての豪雪地帯の縄文時代遺跡でいくつか確認されており、冬場の共同作業所として使われていたと考えられています。厳しい冬を乗り越えるために、人々が集まり、協力して作業を行う場として機能していたのでしょう。

石組炉と埋甕：当時の習俗を物語る

第2号建物の内部には、長径方向に4基の石組炉が一直線に並んでいました。これらの炉は、東側の2基が長方形炉、西側の2基が円形炉という異なる形状をしています。また、中央寄りの2基の炉の近くからは埋甕が見つかりました。

埋甕は、住居の出入口や炉の近くに胎盤を埋め、赤子の健全な成長を願う習俗に関連するものと考えられています。これは、当時の人々の精神文化や信仰を垣間見ることができる貴重な手がかりです。

復元された竪穴建物

1982年には、竪穴建物などが復元され、当時の様子をより具体的にイメージできるようになりました。不動堂遺跡を訪れることで、縄文時代の人々の暮らしを身近に感じることができます。

不動堂遺跡は、縄文時代の文化や生活を知る上で非常に重要な場所です。発掘された遺構や遺物からは、当時の人々の知恵や工夫、そして自然との共生を大切にする精神が伝わってきます。この遺跡を訪れ、縄文時代の人々の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。

不動堂遺跡／朝日町ホームページ - 下新川郡

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