不知火 (東雲型駆逐艦)

不知火 (初代)

概要

不知火（しらぬい）は、かつて存在した大日本帝国海軍の駆逐艦で、東雲型駆逐艦の4番艦にあたります。陽炎型駆逐艦にも同名の艦が存在するため、誤解を避けるために「不知火 (初代)」や「不知火I」と表記されることがあります。この艦は、日本の海軍史において重要な役割を果たした艦艇の一つです。

艦歴

不知火は1899年5月13日にイギリスのソーニクロフト社で竣工し、その後すぐに水雷艇としての運用が始まりました。同年11月には横須賀に到着し、1900年6月22日には政府により軍艦に編入され、正式に駆逐艦に分類されました。

日露戦争への参加

1904年、日露戦争が勃発すると、不知火は第2艦隊第5駆逐隊に配置され、さまざまな戦闘に参与しました。具体的には、旅順口攻撃、黄海海戦、日本海海戦、さらには樺太の戦いなど、多くの激戦で活躍しました。1905年12月12日に駆逐艦としての種別が変更され、その後も長きにわたり海軍の一員として任務を遂行しました。

経歴の変遷

1912年8月には三等駆逐艦に類別され、1922年4月には特務艇（二等掃海艇）に編入されました。1923年6月30日には二等掃海特務艇に再分類され、同年8月1日には雑役船（運貨船）に改編され、最終的には公称第2625号に改称されました。

不知火は、1925年2月25日に廃船とされましたが、その名は海軍の歴史に刻まれています。また、艦の錨は東京都墨田区の区立両国小学校に設置され、今なおその記憶を留めています。

艦長の履歴

不知火には、多くの艦長が就任しました。彼らは艦の運用や戦闘において重要な役割を果たし、艦の歴史に名を刻んでいます。以下に艦長の履歴を示します：

• - 矢島純吉 少佐 （1898年6月28日 - 1898年10月19日）
• - 笠間直 少佐 （1898年10月19日 - 1900年）
• - 村松亥四松 大尉 （1900年6月22日 - 1900年7月28日）
• - 隅元通純 大尉 （1900年7月28日 - 1900年9月25日）
• - 小林恵吉郎 少佐 （1900年9月25日 - 1903年6月22日）
• - 小黒秀夫 少佐 （1903年6月22日 - 1903年9月26日）
• - 西尾雄治郎 少佐 （1903年9月26日 - 1904年3月10日）
• - 渡辺仁太郎 大尉 （1904年3月10日 - 1904年）

艦長の任務は、艦を安全に運営し、艦の乗組員の戦闘能力を高めるものでした。彼らの努力は、艦が多くの戦闘任務を成功裏に遂行するために不可欠でした。

参考文献

この艦に関するさらなる情報は、以下の文献によって得ることができます：

• - 海軍省/編『海軍制度沿革 巻八』
• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』
• - 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』
• - 『写真日本海軍全艦艇史 Fukui Shizuo Collection』

不知火は、日本海軍の駆逐艦として、その形での服務と艦歴を刻み続けており、多くの人々にとって忘れられない存在です。

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