与世山澄子

与世山澄子は、1940年2月16日に沖縄県の小浜島で生まれたジャズシンガーです。彼女の家系は音楽と深く関わっており、祖母の兄は作曲家・教育者として知られる宮良長包にあたります。幼少期は中華民国のアモイ（現在の中国・廈門市）で過ごし、戦後に那覇へと引き揚げました。

音楽キャリアは早く、1955年、高校1年生の時に米軍基地内のクラブでジャズボーカリストとしてデビューを果たします。その才能はすぐに開花し、1957年にはボブ・ホープやレス・ブラウン楽団といった著名なアーティストたちと共演する機会を得ました。1972年まで米軍基地のクラブを中心に歌い続け、沖縄が本土復帰した同じ年、夫でありサックス奏者の我那覇文正と共に、那覇市にジャズスポット「インタリュード」をオープンしました。

自身の音楽活動も積極的に展開し、1983年にはファーストアルバム『INTRODUCING』をリリース。翌年には、ビリー・ホリデーのピアノ奏者として知られるマル・ウォルドロンとの共作アルバム『With Mal』を発表し、高い評価を得ました。1985年にはアルバム『DUO』をリリースしています。その後、20年の歳月を経て、2005年にアルバム『インタリュード』を発表し、音楽シーンへのカムバックを果たしました。

音楽活動以外にも、2006年3月にはTBS系のドキュメンタリー番組「情熱大陸」に出演し、その音楽人生や人物像が広く紹介されました。また、2007年には中江裕司監督の映画『恋しくて』に出演し、同年には森田芳光監督の映画『サウスバウンド』にも出演するなど、女優としても活動の幅を広げています。

与世山澄子は、ジャズシンガーとしての才能に加え、その魅力的な人柄で多くの人々を魅了し、沖縄の音楽シーンを代表する存在として、現在も精力的に活動を続けています。

もう一度検索