世界にひとつの金メダル

映画『世界にひとつの金メダル』

『世界にひとつの金メダル』（原題：Jappeloup）は、2013年に公開されたフランス・カナダの共同制作による伝記映画です。監督はクリスチャン・デュゲイが務め、脚本と主演はギヨーム・カネが担当しています。この映画は、1988年のソウルオリンピックで金メダルを手に入れたフランスの馬術選手、ピエール・デュランの人生を基にした感動的なストーリーを展開します。

物語は、ピエール・デュランが幼少期から父の指導の下で障害飛越競技に取り組んでいたところから始まります。彼は父の期待を背負いつつも、弁護士としてのキャリアを選び始めます。それでも、馬術への強い情熱を持っていたデュランは、ある日、自らの進むべき道を見つけることになります。弁護士としての成功を捨て、再び馬術選手としての道を歩む決意を固めました。

彼がパートナーとなるのは、若馬のジャップルーです。この馬は小柄で、気性が荒いという欠点を抱えながらも、高いジャンプ力と才能を秘めています。デュランとジャップルーの訓練の日々は、オリンピックを目指すための熾烈なものでした。もがき苦しみながらも、二人は少しずつ絆を深め、馬術界での成功へと向かっていきます。

この映画の原作はカリーヌ・ドゥヴィルデのノンフィクション『Crin Noir』であり、脚本やキャストについてもギヨーム・カネ自身の経験が色濃く反映されています。彼は20代前半に俳優に転身する前、騎手としてのキャリアを持ち、両親が馬のブリーダーであったため、馬との関わりが深い人物です。

ルー・ドゥ・ラージュは、この作品において深い演技力を見せ、高く評価されました。彼女は第39回セザール賞での有望若手女優賞にノミネートされています。

映画の制作にあたっては、クリスチャン・デュゲイが監督をつとめ、パスカル・ユデレウィッツ、ルディ・ボーケン、ロマン・ル・グランが製作を担当しました。撮影はロナルド・プラントが行い、音楽はクリントン・ショーターが担当しています。また、日本語吹替版はBSテレ東で2021年8月30日に初回放送されました。

作品に対する評価は、フランスの19のメディアによるアロシネでの平均点が5点満点中3.6点という結果が出ており、多くの観客に受け入れられています。『世界にひとつの金メダル』は、夢を追い求める勇気と努力、そして絆を描いた心温まる映画であり、多くの人々に感動を与えています。

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