世界戦略総合研究所

一般社団法人世界戦略総合研究所

一般社団法人世界戦略総合研究所は、日本に拠点を置く保守系シンクタンクであり、前身は日本国家戦略研究所です。この組織は、世界平和統一家庭連合との関連性がある政治団体でもあります。

設立の背景と沿革

この研究所は、阿部正寿が中心となって設立されました。阿部は、統一教会における広報活動や国際勝共連合の事務総長を務めており、「統一原理」に基づく人生の根本問題の解決を目指し、宗教や政治活動に尽力していました。2000年、阿部と小林幸司によって設立された日本国家戦略研究所は、2008年に現在の名称に変更されました。

安倍政権との連携

特に注目すべきは、2009年の衆院選後の自民党下野時期における世界戦略総合研究所と安倍晋三との関係の深化です。当時、阿部はイギリスやイスラエルで宣教活動を行っており、2010年に帰国後、世界戦略総合研究所で安倍を講演者として迎えたイベントを開催しました。その講演テーマは「保守再生」であり、安倍の考え方と理念に共感を寄せる場となりました。

さらに、2011年には青年部「青年真志塾」がシンポジウムを開催し、安倍が基調講演を行い、世界戦略総合研究所はその共催者となりました。このように、安倍政権に対する支持を積極的に表現する場としての役割を果たすようになりました。

2012年には、「青年真志塾」が解散し、新たに安倍復活を目指す組織「創誠天志塾」が立ち上げられました。これに伴い、安倍の側近との交流も深まり、同じく世界戦略総合研究所のメンバーも参加していました。

政治活動の活発化

2012年には、自民党総裁選があり、安倍はその選挙で勝利を収めました。その後、同党の衆院選においても成功し、首相に返り咲くことになります。下村博文は文部科学大臣に就任し、世界戦略総合研究所のメンバーである小林幸司も「桜を見る会」に招待されるなど、組織としての影響力を誇示しました。

2014年の衆院選では、阿部と小林が下村を支援し、教団の名称変更が実現しました。これらの活動を通じて、安倍政権の政策や方向性に影響を及ぼす立場にあったことは間違いありません。

安倍晋三銃撃事件後の動き

2022年に安倍晋三が銃撃される事件が発生した後、世界戦略総合研究所はその関連についての声明を発表しました。阿部正寿会長は、当研究所は独立した機関であり、統一教会からの干渉を一切受けていないと明言しました。これは、今後の活動に対する信頼性を保持するためのもので、組織の独自性を強調する形となりました。また、小林も同様の見解を示し、疑念を払拭しようとしたのです。

このような経緯を経て、一般社団法人世界戦略総合研究所は、その背景にはさまざまな宗教団体や政治団体との関係があるものの、独自の立場を堅持し続けていることが示されました。

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