世界気象中枢

世界気象中枢（WMC: World Meteorological Centre）は、世界気象機関（WMO）が推進する世界気象監視計画（WWW）の中核をなす機関として設立されました。その主な目的は、全球規模での気象情報交換を円滑に進め、各国の気象機関がより正確かつ迅速に気象情報を利用できるようにすることです。

主要な機能

WMCは、世界各地の気象衛星や地上観測所から得られる膨大な気象データを収集し、そのデータを他のWMC、地域専門気象中枢（RSMC）、各国気象機関（NMC）へ中継・送信する役割を担っています。さらに、収集したデータに基づいて全球的な気象解析と予測を行い、これらの情報を関係機関へ速やかに提供します。これにより、各機関は自国の気象予報の精度向上や気象災害対策に役立てることができます。

また、WMCは、気象情報の利用促進や関連技術の向上を目的とした研修プログラムの提供、大規模な気象現象に関する基礎研究や応用研究の指導も行っています。さらに、過去の天気図などの気象データを適切に保管し、国際機関や研究者が利用しやすい状態に保つことも重要な役割の一つです。

指定機関

現在、WMCとして指定されている機関は以下の3つです。

メルボルン（オーストラリア気象局）: 南半球の気象情報を専門としています。
モスクワ（ロシア水文気象環境監視局）: ロシアを中心とした地域の気象情報を扱います。
ワシントンD.C.（アメリカ国立気象局）: 北米を中心とした地域の気象情報を扱います。

これらのWMCは、それぞれが専門とする地域や分野において、高度な気象情報サービスを提供しています。これにより、全球的な気象監視体制が維持され、国際的な気象協力が円滑に進められています。

WMCは、気象情報の国際的な共有と活用を促進することで、地球規模での気象災害の軽減や、より精度の高い気象予測の実現に貢献しています。

外部リンク

オーストラリア気象局 公式サイト （英語）
ロシア水文気象環境監視局 公式サイト （ロシア語）
アメリカ国立気象局 公式サイト （英語）

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