世界遺産姫路城マラソン

世界遺産姫路城マラソン

世界遺産に登録されている名城、姫路城を借景に、兵庫県姫路市で毎年開催されている市民参加型のマラソン大会です。英語表記は「WORLD HERITAGE HIMEJI CASTLE MARATHON」と記されます。地域のスポーツ振興と文化発信に貢献しており、その取り組みはスポーツ文化ツーリズムアワード2016においてスポーツ庁長官賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

この大会は、姫路城の「平成の大修理」が完了したことを記念するイベントとして始まりました。記念すべき第1回大会は2015年（平成27年）2月22日に開催されています。しかし、2020年から2022年にかけては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が懸念されたことから、残念ながら開催が見送られました。今後の開催予定としては、2026年は大阪マラソンと同日に開催されることが決まっており、さらに2027年には大会の休止が予定されています。

大会には、本格的なランナーから家族連れまで、幅広い層が参加できる複数の種目が設けられています。中心となるのは、日本陸上競技連盟公認コースで行われるフルマラソン（42.195km）です。加えて、より気軽に参加できるファンランが用意されており、こちらは1km（ファミリー）、1.5km（小学1～3年生）、2km（小学4～6年生）、5km（中学生以上）といったように、参加者の年齢や体力に応じた様々な距離設定となっています。第1回大会では、フルマラソンに6,000人、ファンランに4,000人の合計10,000人がエントリーしました。

フルマラソンのコースは、姫路市の中心部からスタートし、歴史的な街並みや自然豊かな景観を巡る設定です。具体的には、姫路駅前の大手前通りをスタート地点とし、駅前を北上した後、夢前川沿いの県道を北へ進みます。夢前町の塩田交差点で折り返し、今度は夢前川サイクリングロード沿いを南下し、最終的には姫路城の目の前にある三の丸広場をゴールとするコースです。城を間近に眺めながらフィニッシュできるのは、本大会ならではの魅力と言えるでしょう。

各レースには制限時間が設けられており、フルマラソンは6時間以内に完走する必要があります。ファンランについても、1kmは10分、1.5kmは15分、2kmは20分、5kmは40分と、それぞれの距離に応じた制限時間が設定されています。

大会には、毎回多くの著名なアスリートやタレントがゲストランナーや招待選手として招かれています。これまでに、谷口浩美氏、福士加代子氏、高橋尚子氏（代替イベント）、間寛平氏など、陸上競技界のレジェンドや広く知られる著名人が参加し、大会を盛り上げてきました。複数回参加している選手やタレントも多く、大会との結びつきの強さを示しています。

大会の運営は、姫路市や兵庫陸上競技協会などが主催となり、姫路市まちづくり振興機構や神戸新聞社が共催として支えています。企画運営は世界遺産姫路城マラソン実行委員会が行い、姫路市陸上競技協会が主管しています。大会を象徴するキャラクターとしては、「しろまるひめ」と「かんべえくん」が親しまれています。

公式サイトなどでは、過去の大会における優勝者リストや記録なども公開されており、大会の歴史を振り返ることができます。市民参加型マラソン大会として、姫路の街を挙げて盛り上げられています。

このように、世界遺産姫路城マラソンは、その名の通り世界遺産を冠するにふさわしい、歴史と文化、そしてスポーツが見事に融合した特色あるマラソン大会と言えるでしょう。

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