世界音楽の日

世界音楽の日（Fête de la Musique）

世界音楽の日は、毎年6月中旬に行われる音楽祭で、地元住民や市民が公共の場で自由に音楽を奏でることを奨励するイベントです。この祭りでは、アマチュアおよびプロのミュージシャンが参加し、無料の演奏会が市内各地で開催されます。音楽は純粋に楽しむためのものであり、演奏家に金銭的報酬は支払われません。このイベントは、音楽を通じて地域社会をつなぐ重要な機会となっています。

創設の背景

世界音楽の日の起源は、1982年にフランスの文化大臣ジャック・ラングと音楽家モーリス・フルーレの提案から始まりました。彼らの構想は、夏至の日に自由に音楽を楽しむことを強調し、最初の音楽祭はパリで実施されました。その後、このイベントは150を超える国々で広まり、世界中で600以上の都市で祝われる国際的な祭となりました。

この音楽祭の起源は、1975年にUNESCOによって設立された国際音楽の日にも関連しています。1976年には、アメリカの音楽家ジョエル・コーエンが屋外での演奏を提案しました。この計画はすぐにパリとトゥールーズで実現し、音楽祭の形は徐々に整備されていきました。

6月21日の選定理由

6月21日は夏至の日であり、一年でもっとも昼が長い日です。この日を選んだ理由は、音楽祭が自然と結びつくことにあります。古代から続く祭りや儀式に通じる文化的な側面を持ち、地域の人々が集まり家庭やコミュニティで音楽を楽しむことを促進します。各地で行われる祭りでは、焚火や花火がともされ、人々が共に過ごす大切な時間を共有します。

祭りの目的

世界音楽の日の主な目的は、音楽の促進です。すべてのミュージシャンが「Faites de la musique」（音楽を作ろう）というスローガンのもと、公共の場所でパフォーマンスを行います。この日には、数千の無料コンサートが開催され、あらゆるジャンルの音楽が楽しめるように工夫されています。

フランス国内では、公共の場で音楽を楽しむことが容認されていますが、音量に関する規制も設けられているため、演奏を行うには事前に許可が必要な場合があります。地域の条例によっては、音響機器を使用する際に制限が設けられることもあります。

世界中への広がり

2019年時点で、世界音楽の日には120を超える国が参加し、1000以上の都市でさまざまなイベントが開催されています。イタリアでは1985年からの「Festa della Musica」として知られる祭りが、日本をはじめ各国でも多様な形で実施されており、毎年恒例の行事となっています。

アメリカでは、Make Music Allianceがこの運動を支え、117都市で4791件の無料コンサートを行い、活気ある音楽の交流が続いています。オーストラリアでは、2018年から「Make Music Day Australia」が始まり、年々参加が増加しています。

結び

世界音楽の日は、音楽の持つ力を再認識し、文化を楽しみ、コミュニケーションを深める重要な一日として存在しています。人々が集まり、音楽を通じてつながる場として、ますます多くの国々がこの祝祭に参加し続けています。

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