世紀末の詩

『世紀末の詩』

概要

『世紀末の詩』は、1998年10月から12月にかけて日本テレビで放送されたいわゆる“語り部的”なドラマです。この作品は、脚本家・野島伸司が日本テレビのドラマに初めて直に関わった作品であり、その結果、一部では「野島神話崩壊」とも報じられることになりました。視聴率は、平均14.6%、最高18.7%（第1話）と振るわなかったものの、作品が持つメッセージやテーマ性は多くの視聴者に強く響いたようです。

ストーリーは、主に「愛とは何か」をテーマに展開されます。前述のように、視聴率にこだわらず、主人公たちが真摯に「愛」を問い続ける姿が描かれ、視聴者からの支持を受けました。このドラマの結末は決してハッピーエンドとは言えず、その悲劇的な愛の物語が作品の深みを増していました。野島は続編『新世紀の詩』を希望していましたが、その夢は実現することはありませんでした。

全11話が1話完結の形で放送され、その中で様々な愛の形が描かれています。例として、各話の主人公たちは悲劇的な結末を迎えることが多く、視聴者に「愛」の現実を改めて考えさせるような構造になっています。

あらすじ

物語は、成婚予定者に捨てられた野亜亘（竹野内豊）と、大学教授の百瀬夏夫（山﨑努）が出会うシーンから始まります。どちらも自殺を考えている最中、偶然の出会いが彼らの運命を変えることになります。

彼らの生活に加わるミア（坂井真紀）は不思議な素性を持つ少女で、彼らの心の支えとなります。廃屋での共同生活を通じて、野亜と百瀬は様々な形の「愛」を模索し、その道のりには多くの試練や葛藤が待ち受けています。愛の期待と失望、思い描く理想と現実の間で揺れる彼らの姿は、視聴者に深い感動を与えました。

キャスト

• - 野亜亘（竹野内豊）：自信過剰で頼りない性格の若者。あまりにも感情的で、自分を失った状態で百瀬と出会い、彼に感化されていく。
• - 百瀬夏夫（山﨑努）：落選を機に人生に希望を失い、自らの夢を追い求めている教授。歴史と自らの病を背負いながら日々を生きる。
• - ミア（坂井真紀）：二人の探索を助ける神秘的な少女。彼女の正体は謎に包まれています。
• - 羽柴里見（木村佳乃）：野亜の暗い過去とは関わる教師であり、二人の生活に新たな風を吹き込みます。

スタッフ

このドラマの脚本を担当したのは脚本家としての知名度が高い野島伸司。彼の作品は多くの人に愛されており、今回のドラマでもその独自の視点と文体を対話形式で表現しています。プロデュースは梅原幹、演出は細野英延、古賀倫明、大谷太郎が手掛けています。
主題歌にはジョン・レノンの「LOVE」が使用され、感情の深さを強調しています。

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このドラマはVHSとして全4巻がリリースされており、またCDやノベライズ化もされましたが、DVDやBD化はされていない点が、視聴者にとって残念な部分でもあります。多くの作品同様、愛の本質を描いたドラマとして、その根強い人気は今なお続いています。

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