両角良彦

両角良彦 - 日本の官僚とナポレオン研究家

両角良彦（もろずみ よしひこ、1919年10月4日 - 2017年8月11日）は、日本の著名な官僚およびナポレオンの研究者です。彼は日本の通商産業事務次官や電源開発株式会社の総裁を務めるなど、大変な影響力を持っていました。また、多くの著作を残しており、特にナポレオンに関する研究に力を入れていました。

生い立ちと教育

両角は長野県に生まれました。父親は陸軍中将で、その影響で幼少期には転校を重ねる生活を送りました。彼は持病を抱えており、左中耳の治療に苦しむこともありましたが、学業に励みました。宇都宮中学校を経て、東京府立第六中学校に入学し、最終的には第一高等学校を首席で卒業しました。1941年12月に東京帝国大学法学部を卒業すると、商工省に入省し、公務員としての道を歩み始めました。

官僚としてのキャリア

彼は商工省に入り、当初は燃料局に配属され、その後もさまざまな役職を歴任しました。戦後はGHQとの通訳を担当し、日本の経済秩序を守るために新しい法の解釈に尽力しました。その後、外務省に出向し、フランスにおける一等書記官として、日本とフランスの経済関係を構築するために努力しました。日本に戻ってからは通商産業省の企業局での役職を歴任し、国際競争力を高めるために企業支援策を模索しました。

1967年には石油開発公団の設立に携わり、1971年には通商産業事務次官に就任しました。彼のリーダーシップの下で、日本は日米間の繊維交渉での輸出自主規制に直面し、さまざまな政策決定に関与しました。また、インドネシアの資源獲得にも取り組むなど、日本の資源外交を進めました。

ナポレオン研究

両角は経済政策に関わる一方で、ナポレオンに対する深い興味を持ち、研究を進めました。特に著書『1812年の雪 モスクワからの敗走』ではナポレオンのロシア遠征について詳細に描き、日本エッセイストクラブ賞を受賞しました。彼のナポレオンに関する研究は、スリリングな歴史的解釈とともに、学術的な影響を持つものでした。

まとめ・業績

両角良彦は、官僚としての多彩な活動とともに、文化人としても独自の足跡を残しました。彼の略歴を見てもわかる通り、様々な役職に就き、特に経済政策やエネルギー政策において日本の発展に寄与しました。また、ナポレオンに関する著作を通じて、日本における歴史学の発展にも寄与した人物です。彼の著作や研究は、官僚としての業績と相まって、今もなお多くの人々に影響を与えています。

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