両角速

両角速 - 陸上競技の指導者としての道

両角速（もろずみ はやし）は、1966年7月5日に長野県茅野市で誕生した、日本の優れた陸上競技選手および指導者です。彼は東海大学体育学部の教授であり、同大学の陸上競技部における駅伝監督としても知られています。彼の指導のもと、佐久長聖高校は数多くの優秀な選手を輩出し、高校陸上界で名声を得ました。

略歴と成長の背景

両角は東海大学第三高等学校を経て、東海大学体育学部に進学しました。在学中には、伝説的な大会である箱根駅伝に4年連続で参加し、着実にその名を広めていきました。卒業後は日産自動車に入社しましたが、陸上部が廃部となったため、ダイエーへ移籍しました。オリンピック出場を目指したものの、この挑戦は果たせず、ダイエー陸上部の休部に伴い実業団選手を引退。1995年には佐久長聖高校で教職に就き、駅伝部の監督として新たなキャリアをスタートさせます。

学校と選手の育成

当初、佐久長聖高校の駅伝部にはわずか2人の部員しかいなかったため、両角は自身も大会に出場しながら新たな才能を見出す必要がありました。福岡国際マラソンでのアピールが功を奏し、彼は佐藤清治をはじめとする優れたランナーを育成しました。これにより、佐久長聖高校は全国的に有名な長距離学校へと成長しました。彼の指導のもと、同校は1998年から2010年にかけて、全国高校駅伝で驚異的な成果を収め、13回連続出場、12回入賞を果たしました。

特に2008年には大会記録となる2時間02分18秒で優勝し、その後も長野県チームのコーチとして数々の優勝に貢献しました。両角は、選手に規則正しい生活を求め、厳しい訓練を通じて強い精神力と身体能力を育てました。彼は学生に対して「厳しい状況でも妥協しないことで自分を強くする」という思想を持ち、指導にあたっています。

指導の特長と貢献

両角の指導哲学は、長野特有の厳しい気候条件に基づいています。彼は、選手が成長するためには厳しい環境でのトレーニングが必要であると説き、具体的には自ら整備したクロスカントリーコースをトレーニングに活用し、選手たちのスピードとスタミナを鍛えました。また、彼は選手たちに対してフォームにも重点的に指導し、実力を引き出すために同じ練習メニューを設定して競わせることで、さらなる成長を促しました。

2011年には東海大学の教授に就任し、同年に「縄文ふるさと大使」にも選ばれました。2017年には出雲駅伝で10年ぶりの4度目の優勝を達成し、2019年の箱根駅伝では初めて総合優勝を果たしました。特に、彼の体調管理の努力は顕著で、ダイエットにより体重を減らし、選手たちと共に喜びを分かち合う場面も見られました。

家族と今後の展望

両角速は、アスリート一家としても知られています。長男は陸上選手として東海大学に進学し、コーチとして活動しています。また、次男は高校時代に野球においても功績を残し、立教大学へ進みました。両角自身は、教育者そして指導者としての道を歩み続け、若いアスリートたちの育成に力を注いでいます。彼の先見の明と情熱は、これからも多くの選手に影響を与え続けることでしょう。

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