両院協議会

両院協議会についての詳細

両院協議会とは、議会が二院制を採用している場合に、各院の議決が一致しない際にその調整を行うための機関です。日本では、国会においてこの仕組みが導入されています。具体的には、衆議院と参議院で意見が異なる議案が存在する時に、それらを協議するために設けられます。

日本国における両院協議会の設置

日本の国会においては、衆議院と参議院の議決が不一致になる場合、国会法や関連する規則に基づき両院協議会が設置されます。この協議会は常設されているわけではなく、必要に応じて設立されるため、特定の法律案や提案に応じた形式で名付けられます。例えば、「内閣総理大臣の指名に関する両院協議会」のように、議題に基づいて名称が付けられます。

さらに、同時に数件の案件が協議を要する場合、関連する法案間でまとめて一つの協議会を開くという慣習もあります。ただし、異なる法案においてはそれぞれ別での協議会となるため、複数の名称を持つ協議会が併存する状況も見られます。

協議委員とその役割

両院協議会は、衆議院と参議院からそれぞれ10名ずつの協議委員で構成されており、合計で20名の委員により組織されます。通常、各院の協議委員はその院の賛成派に属する議員から選ばれることが一般的です。選出の際には、連記投票によるが、しばしば議長による指名が行われることが多くなっています。

また、協議委員の中から各院の議長や副議長が選出され、会の運営が行われます。両院協議会は、衆議院と参議院の間で独立して運営され、両議院の合意が得られない場合には議事を進めるために議長が交代で務める形式を取っています。

対象案件と協議内容

両院協議会では、法律案、予算、条約の承認、憲法改正原案など、特定の議決に関する案件が対象となります。また、内閣総理大臣の指名もその一部として含まれ、これらの議案で衆参の合意が得られない場合には協議会が開かれ、最終的には衆院の議決が国会の正式な議決となる場合が多いのです。

法律案に関しては、衆議院または参議院のいずれかが可決した後、もう一方の院が異議を唱える場合、両院協議会の請求が任意となるため、事例によっては協議会が開かれないこともあります。憲法改正原案や国会同意人事案件についても同様の位置付けとなっており、特定の状況でのみ開会請求が必要となります。

議事の進行と成案の取り決め

両院協議会の議事が開かれるには、協議委員の出席率が3分の2以上必要です。議事は各院の委員がそれぞれの主張を述べ、協議を通じて案を作成し討論の後、採決が行われます。作成された案は、衆議院か参議院の本会議で最終的な議決を受けることになります。この中で、議事録は公開されますが、傍聴は許可されていないため、秘密にはされていないものの情報の伝達は制限されます。

結論

両院協議会は、国会における議決の不一致を解消するための重要な機関であり、その運営において多くのルールや手続きが存在します。各院の協議委員が集まり、議案を慎重に検討し、合意形成を目指すプロセスは、民主主義の基本的な原則の表れとも言えるでしょう。

もう一度検索