中の島ブルース

中の島ブルースの軌跡

『中の島ブルース』（なかのしまブルース）は、1973年に秋庭豊とアローナイツによって自主制作されたシングルで、作詞は須田かつひろ、作曲は吉田佐が担当しました。この曲は、アローナイツが元々アマチュアバンドとして活動していた歌志内炭坑に由来し、独自のスタイルで音楽シーンに衝撃を与えました。彼らは札幌に進出し、次第にその才能が評価され、プロのミュージシャンとしての道を歩み出します。

この楽曲は、最初にリリースされた自主制作盤が7000枚も売り上げる成功を収め、地元の有線放送を通じてその人気が広まりました。これを受けて、1975年7月には、歌詞が斎藤保によって補作され、全国版として再発売される運びとなります。この再発売には内山田洋とクール・ファイブの競作形式が取られ、両者の楽曲は広く全国に浸透し、特にクール・ファイブが50万枚以上のセールスを記録しました。

自主制作盤の内容

1973年に発表された自主制作版には以下の2つの楽曲が収録されています:

• - 中の島ブルース (03:04)

- 作詞: 須田かつひろ
- 作曲: 吉田佐

• - 渚の二人 (02:45)

- 作詞・作曲: 平田満

この自主制作盤は、彼らのオリジナル曲としてファンに強い印象を残し、演奏と歌詞の融合が評価されました。

全国版のリリース

1975年の全国版は次のような内容となっています:

• - 中の島ブルース (02:59)

- 作詞: 斎藤保
- 作曲: 吉田佐
- 編曲: 竜崎孝路

• - ブルーナイトイン東京 (03:07)

- 作詞: 松本隆
- 作曲: 浜圭介
- 編曲: 小谷充

この版では、曲の魅力がさらに引き立てられ、プロデュースによりより多くのリスナーに届くようになりました。どちらのバージョンも、曲の背景や作り手の情熱が感じられるものとなっています。

競作とその影響

内山田洋とクール・ファイブとの競作は、当時の音楽シーンにおいて注目を集めました。クール・ファイブは既に高い知名度を有しており、その影響力を背景に、楽曲は大ヒットとなり、オリコンのベスト10入りを果たしました。彼らの知名度と秋庭豊とアローナイツの新鮮な声が交錯したこの時期は、日本の音楽史において重要な一幕を形成しました。

カバーと継承

この楽曲は数度にわたりカバーが行われていることも重要です。ザ・マイクハナサンズは2009年にこの曲をシングル『今夜の主役は私です！』に収録し、さらに桑田佳祐も2019年のライブビデオ『平成三十年度！ 第三回ひとり紅白歌合戦』で取り上げました。このように『中の島ブルース』は、世代を超えて愛され続ける楽曲として、今も多くのアーティストによって引き継がれています。

このように、アローナイツの『中の島ブルース』は、ただの楽曲を超えた文化的な象徴としての地位を確立しており、日本の音楽シーンにおける重要な一角を担っているのです。

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