中ア対立

中ア対立（Sino-Albanian split）

中ア対立は、1972年から1978年にかけて、アルバニア社会主義人民共和国と中華人民共和国との間で関係が次第に悪化していった歴史的な出来事を指します。この対立の背景には、国際共産主義運動におけるソ連の修正主義への認識があり、両国はかつては互いに支持し合っていました。しかし、1970年代のはじめには、新たな国際的な政治状況により、両国の関係は緊張を増していきました。

背景

1956年、エンヴェル・ホッジャが中国共産党第8回全国大会に参加したことが契機となり、アルバニアと中国の関係は始まりました。ホッジャは、当時の中国共産党が展開していた現地のブルジョアジーとの協力に懸念を抱いていましたが、共産主義的イデオロギーの観点から中国の動向を支持していたのです。しかし、フルシチョフの政策やユーゴスラビアとの関係が問題視される中、両国の意見のずれが生じていきました。

1960年代に入り、ソ連との対立が深まった中国は、アルバニアとの連携を強化していきました。アルバニアは中国のイデオロギー的な支持を受け、自国の修正主義批判を強めていきました。この中で、アルバニアは中国が表明した「修正主義」を批判し、対立の芽を育む結果となったのです。

対立の高まり

1971年、アメリカのニクソン大統領が中国を訪問するという出来事が、アルバニアに大きな衝撃を与えました。ホッジャは、アメリカとの接触を面白くないと捉え、これに対して強い不満を持っていました。この結果、両国の関係は急速に疎遠になり、1978年には中国がアルバニアとの貿易関係を断絶する決定を下しました。

影響と結論

中ア対立は、国際共産主義運動の中で重要な転換点となり、アルバニアと中国の間での長い友好関係が崩れ去りました。この対立は、単なる外交問題にとどまらず、両国のイデオロギー的信念や政治体制に対する根深い影響を与えるものでした。ホッジャはその後、中国に対する批判を強め、アルバニアが独自のマルクス・レーニン主義の立場を守る姿勢を貫いたことは、国際的にも注目されるものでした。中ア対立は、冷戦時代のイデオロギー対立や、共産主義国家同士の関係の脆弱性を示す重要な事例として記憶されています。

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