中国・ブラジル地球資源衛星

中国・ブラジル地球資源衛星（CBERS）

中国・ブラジル地球資源衛星（CBERS）は、中華人民共和国とブラジルが共同で開発した地球観測および資源探査衛星です。このプロジェクトは1988年に始まり、中国空間技術研究院（CAST）とブラジル国立宇宙研究所（INPE）が協力して進められています。これまでに5機が打ち上げられましたが、4機目のCBERS-3は打ち上げに失敗しました。

プロジェクトの背景

CBERSのプロジェクトは、1980年代に行われたアメリカの宇宙技術による制約に対抗する形で始まりました。アメリカはブラジルに対して宇宙技術の供与を拒否していたため、中国はブラジルの核開発計画への協力を通じて関係を深めていました。このような状況の中、1985年から共同で太陽同期画像衛星を設計し、プロジェクトの費用の約70%を中国側が負担しました。

衛星の打ち上げ歴史

最初の衛星であるCBERS-1は1999年10月14日に打ち上げられ、その後2003年にCBERS-2が打ち上げられました。これらの衛星は、リモートセンシング技術を駆使して、地球の資源や環境を観測するために設計されました。それぞれの衛星は太陽同期軌道を周回し、画像を収集することが可能です。

CBERS-1とCBERS-2は、同じ設計に基づいており、3種類のリモートセンシング用カメラを搭載しています。これにより、高解像度のデータを収集することができます。さらに、これらの衛星は耐久性を重視し、一定期間の運用を可能にしています。

3機目のCBERS-2Bは2007年に打ち上げられ、2007年から画像データの公開が始まりました。CBERS-2Bの設計は前衛星と似ていますが、より高度な画像取得機能が付加されています。

データの提供

INPEは、2004年からインターネットを通じて登録者にCBERSの画像データを無料で提供しています。この動きは非常に評価されており、特に中南米やアフリカの国々にとって貴重なデータ源となっています。また、2010年にはCBERSのグローバル展開に関する覚書が取り交わされ、国際的な協力が一層進展されることが期待されています。

CBERSと中国の資源探査衛星

なお、CBERSシリーズ以外にも中国の資源探査衛星として「資源（Zi Yuan, ZY）シリーズ」が存在します。これは建材や地形の観測を目的とした衛星群であり、CBERSとは直接的な関係はありませんが、観測センサーに共通点が多く、混同されることがあります。中国の宇宙開発報告書では、ZY系の名称が使われる場合がありますので、注意が必要です。

中国とブラジルの共同プロジェクトであるCBERSは、国際的な宇宙探査の重要な一環として、発展を続けています。今後も、その成果は環境監視や資源管理の分野に貢献し続けることでしょう。

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