中国人民解放軍311基地

中国人民解放軍311基地の概要

中国人民解放軍311基地、正式には61716部隊は、福建省福州市に位置する重要な軍事基地です。この基地は、中国人民解放軍の戦略支援部隊（PLASSF）に属し、特に台湾に対する社会的、心理的、法的な情報戦を専門に展開しています。基地は2005年に設立され、以降、台湾への認知戦や対米国の情報環境調査を進めています。

設立と役割

311基地は、設立当初から、輿論戦や心理戦、法律戦といった三戦に基づく作戦を実施しており、特に2011年以降は、台湾に対する認知戦の中心的役割を担ってきています。フランスの軍事学校である戦略研究所（IRSEM）によると、台湾に対する情報戦はこの基地に集約されており、その活動は広範囲にわたっています。

この基地の名称「311」は、三戦（3）と軍事作戦（1）、さらにネットの情報作戦（1）を組み合わせたものとされており、その多様な戦略を象徴しています。311基地は、情報戦において重要な役割を果たしており、特にオンラインでの世論形成においては強い影響力を持っています。

沿革

311基地の歴史は1958年に遡ります。この年、福建省内に中国人民解放軍福建前線放送局が設立され、その後、1984年には海峡の声と改名されました。1991年にはこの放送局の一部門が独立し、その後2005年に311基地として新たに設立されたのです。

基地の役割は年月を経るごとに進化し、2015年には中国人民解放軍戦略支援部隊に移管され、より戦略的な作戦を展開するようになりました。

地理的位置

基地の正確な位置については、公式には福州市鼓楼区梅竹路77号およびその近隣に61716部隊が存在するとされています。しかし、IRSEMの調査によれば、実際の基地はこの地点とは異なる可能性があり、周囲には「海豚游泳馆（イルカ遊泳館）」という公共施設が存在することから、住所は郵便用に過ぎないとされています。真の基地の位置は不明ですが、報告書では近隣の華信トレーニングセンターとされる場所に位置しているという説があります。

傘下組織と活動

311基地は、多岐にわたるメディアと軍事部隊を傘下に持ち、その中でも特に「海峡の声」は台湾向けの情報発信を行う重要な放送局です。また、中国華芸広播公司や海風出版社、ネットワークプロパガンダセンターも311基地の影響下にあるメディアとして活動しています。これらの組織は、中国政府の意向を反映し、中国からのメッセージを広める役割を果たしています。

特にネットワークプロパガンダセンターは、インターネット上での世論形成を担当しており、強力なデジタル戦略を持っています。彼らはニュースサイトを運営し、国内外の政治的環境に影響を与える情報を発信しています。

まとめ

311基地は、中国の情報戦の中で重要な役割を果たす基地であり、台湾に対する心理的な圧力や世論操作を通じて影響力を行使しています。基地の活動は、国際的な政治情勢における情報戦の一環として、今後も注視されることになるでしょう。情報戦の手段としての311基地の発展は、地域の安定や国際関係に影響を与える要因ともなり得るため、ますます重要な存在となっています。

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