中国民主党 (中華人民共和国)

中国民主党：中国民主化運動の光と影

中国民主党は、1989年の六四天安門事件後、中国大陸で民主化を求める人々によって設立準備が進められた組織です。中国民政部に政党登録を申請した唯一の民主化運動組織ですが、中国国内では非合法な存在として扱われています。

綱領と政治計画

中国民主党の目的は、「一党独裁体制を終わらせ、民主政府を樹立する」ことです。その政治計画として、以下の12条を掲げています。

1. 憲法に基づき、中国共産党の一党独裁政治を終わらせる。
2. 政党の設立禁止を解除し、人々の結社の自由を復活させる。
3. 新聞の禁止を解除し、人々の自由な発言を保障する。
4. 私有財産を保護し、国民に返還する。
5. あらゆるレベルの市民による直接選挙を実施する。
6. 司法の独立を確保し、外部からの干渉を防ぐ。
7. 軍は国有とし、兵士の政治介入を禁止する。
8. 農業改革を行い、農民を自由な農業経営に戻す。
9. 戸籍制度を廃止し、平等な市民権を付与する。
10. 義務教育を完全無料化する。
11. 社会福祉を充実させ、男性、女性、子供の平等を保障する。
12. 国家自治を尊重し、信仰の自由を保障する。

結党申請と弾圧

1998年、アメリカのクリントン大統領の訪中に合わせて、民主化運動家たちは中国民主党の設立を準備しました。浙江省を皮切りに、各地で党設立準備委員会が組織され、政党登録を申請しましたが、クリントン大統領の離中後、中国当局は登録を拒否し、弾圧を開始しました。主要メンバーの逮捕や組織の瓦解が相次ぎ、多くの関係者が有罪判決を受けました。この弾圧は、当時の最高指導者であった江沢民総書記の強い意向によるものでした。

中国国外での活動と分裂

2004年以降、中国民主党の関係者は国外で活動を本格化させました。しかし、民主化運動への関わり方や個人の哲学の違いから、組織は分裂し、複数の「党中央」を名乗る組織が並立する状況となっています。これらの組織は連携が弱く、中国民主化運動全体としての協調が難しい状況です。

2016年時点で確認されている主な「中央指導組織」は以下の通りです。

中国民主党美国总部（代表：劉東星）
中国民主党世界同盟（代表：王軍）
中国民主党网络阵线（代表：？）
中国民主党总部（代表：謝万軍）
中国民主党全国联合总部（代表：徐文立）
中国民主党全国委员会（共同代表：王有才、王軍涛）

中国民主党は、中国の民主化を求める人々の希望の象徴であると同時に、厳しい現実を突きつけられた組織でもあります。その活動は困難に満ちていますが、中国の民主化を願う人々の心に、希望の灯を灯し続けています。

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