中国語検定

中国語検定試験（中検）とは

中国語検定試験（略称：中検）は、一般財団法人日本中国語検定協会が主催する、中国語の能力を測るための検定試験です。特に、日本語と中国語間の翻訳能力を重視している点が特徴です。

試験の概要

中検は、中国語の能力を測る試験として、長年にわたり実施されています。1級合格者には、「通訳案内士試験」の外国語試験が免除されるというメリットがあります。1981年の第1回試験以来、2019年3月時点で97回実施されており（ただし、2011年3月の第73回試験は東日本大震災で中止）、年間志願者数は約4万人、累積志願者数は2016年1月までに96万人、累積合格者数は36万人に達しています。

過去には「ビジネス中検」というスコア式の試験も存在しましたが、2011年以降は休止されています。

検定協会と試験の沿革

日本中国語検定協会は、1981年に設立されました。当時、中国は「改革開放」政策を推進しており、日本国内でも中国語学習への関心が高まっていました。しかし、中国語教育の現場は、施設や教師、教材の不足など、課題も多く存在しました。そこで、学習者に対して明確な目標を提供し、客観的に達成度を評価するために中検が創設されました。

第1回試験は大阪でのみ実施され、4つの級しかありませんでしたが、受験者数は約60名でした。1985年には、全国的な実施を目指して協会本部が東京に移転されました。級の段階も、より細かく6段階に改められました。

1987年9月には、受験者や学習者向けの情報誌『中国語の環』が創刊され、中国語学習のノウハウなどが提供されました。

試験の形式

試験は、一次試験と二次試験に分かれています。一次試験では、筆記試験とリスニング試験が課されます。筆記試験は、マークシート形式と記述式を組み合わせた形式で、記述式では簡体字の使用が原則ですが、繁体字の使用も可能です。ただし、字体の混用は減点対象となります。準4級から3級までの日文中訳問題では、簡体字の使用が明記されています。2級以上では、表現力が重視されるため、繁体字で統一されていれば減点されません。

1級と準1級には二次試験があり、一次試験合格者に対して面接試験が実施されます。

試験日程と受験会場

試験は年3回、6月、11月、3月の第4日曜日に実施されます。ただし、1級は年1回、11月のみの実施です。

受験会場は、日本国内の53都市に加えて、中国の北京、上海、大連、西安、広州、香港、台北、シンガポールにも設けられています。

各級の認定基準

中検は、6つの級に分かれており、各級ごとに合格基準が定められています。

「技能審査の成果に基づく単位授与制度」と中検

中検は、「技能審査の成果に基づく単位授与制度」の対象となっており、大学によっては、中検の合格級に応じて単位が認定される場合があります。例えば、準4級合格で「中国語Ⅰ」、4級合格で「中国語Ⅱ」、3級合格で「中国語Ⅲ」の単位が授与される大学もあります。

受験者数の動向

2012年には年間受験者数が6万人に達しましたが、その後は減少傾向にあります。近年は、日中関係の緊張緩和を受けて、学習者数に回復の兆しが見られます。また、準1級と1級の受験者において、日本国内在住の中国語ネイティブの割合が増加しています。これは、中検の合格証書が翻訳・通訳能力の証明として活用されているためと考えられます。

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