中孝祐

中 孝祐（なか こうすけ）

中 孝祐（なか こうすけ）氏は、1997年5月6日に生を受けた日本のラグビーユニオン選手である。主にウィング（WTB）のポジションでプレーし、そのスピードとフットワークを生かした突破力、そしてトライゲッターとしての決定力を武器とする。出身は奈良県であり、ここから彼のラグビー人生が幕を開けた。

少年期には、その才能が開花し、早くから将来を嘱望される存在であった。中学校時代には、大阪府中学校選抜の一員に選ばれるなど、同世代の中でも際立った能力を示した。高校は、全国高校ラグビーでも常に上位に名を連ねる強豪校、東海大学付属仰星高等学校（現在の東海大学付属大阪仰星高等学校）に進学。全国レベルの選手が集う厳しい環境の中で、自身の技術とフィジカル、そして精神力を集中的に鍛え上げた。高校卒業後、関西地方の強豪として知られる関西学院大学へ進学。大学ラグビーの舞台でもウィングとしてチームの主力選手となり、多くの試合でインパクトのあるプレーを披露し、その名を広めた。

大学を卒業した2020年、彼はプロラグビー選手としてのキャリアを歩み始める。当時、日本のトップリーグに所属していた神戸製鋼コベルコスティーラーズ（現在のコベルコ神戸スティーラーズ）への加入が発表された。国内屈指の強豪チームに身を置き、トップレベルの選手たちと共に日々練習に励み、自身のスキルを磨き上げた。

プロキャリア最初のシーズンとなった2022年には、新設されたプロリーグであるJAPAN RUGBY LEAGUE ONEが開幕。中選手は、2022年1月29日に熊谷ラグビー場で行われたリーグワン ディビジョン1の開幕節、埼玉ワイルドナイツ戦において、途中出場ながら待望の公式戦デビューを果たした。この試合は、彼にとってプロ選手として公式戦のピッチに初めて立つ、記念すべき一歩となった。

コベルコ神戸スティーラーズでは、身長177cm、体重87kgという、ウィングとしてはバランスの取れた体格を生かし、リーグワンの舞台で力強いプレーを見せた。チームの勝利に貢献するため、常に自身のパフォーマンス向上を目指した。

国内リーグでの活躍に加え、国際的な舞台でもその能力が認められている。彼は、7人制ラグビーの日本代表に選出された経歴を持つ。7人制ラグビーは、広いスペースでのスピードと判断力が重要視されるため、この代表選出は、彼の持つウィングとしての特長が特に優れていることの証と言えるだろう。

パーソナルな側面としては、「こうすけ」というニックネームでチームメイトや友人から親しまれている。友人の一人にオクタニ氏がいることや、趣味がオンラインゲームの「荒野行動」であることも知られており、グラウンドを離れた場所での彼の人間性が垣間見える。また、ラグビー選手として尊敬し、憧れの人物として近藤英人氏の名前を挙げている。家族にもラグビーとの深いつながりがあり、弟の俊一朗氏も兄と同じくラグビー選手であり、現在、東海大学付属仰星高校でプレーしている。兄弟揃ってラグビーに情熱を傾ける姿は、彼らの家族におけるラグビーというスポーツの存在の大きさを物語っている。

コベルコ神戸スティーラーズには2023-24シーズンまで所属し、チームの一員としてリーグワンの戦いを経験したが、2024年5月に同チームからの退団が発表された。プロラグビー選手としての彼のキャリアは、今後新たな展開を迎えることになるだろう。

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