中山俊行

中山 俊行

概要

中山 俊行（なかやま としゆき）氏は、1962年に神奈川県川崎市で生まれた、日本の元トライアスロン選手であり、指導者です。日本トライアスロン界において、日本人プロ選手第1号という先駆的な存在であり、「ミスター・トライアスロン」としてその名を広く知られています。選手として長きにわたり国内外の主要な大会で顕著な成績を収め、その後の日本のトライアスロンの発展に大きな影響を与えました。現在は、競技の普及・振興に携わっています。

経歴

幼少期・学生時代

川崎市に生まれた中山氏は、明治大学付属明治高等学校・中学校で学生生活を送りました。中学・高校時代は運動部に所属し、剣道に打ち込んでいました。明治大学に進学後、運動のベクトルは大きく変わります。大学公認のサイクリング愛好会であるMCTC（明治大学サイクリスツツーリングクラブ）に所属しながら、自転車競技において学連に登録し活動を開始しました。この自転車競技への取り組みが、後にトライアスロンへと繋がっていくことになります。大学在学中にトライアスロンという競技に出会い、その魅力に惹きつけられていきます。

選手キャリアの確立

トライアスロンを始めて間もない1981年、大学在学中であった中山氏は、日本のトライアスロン黎明期における重要な大会の一つである湘南トライアスロン大会で優勝を飾ります。これを皮切りに、日本のトライアスロン界の先駆者、いわゆる「フロンティア」として、この新しい競技の普及と自身の選手としての道を切り拓いていきました。当時のメディアからも注目され、フジテレビのイメージキャラクターにも起用されるなど、トライアスロンという競技の知名度向上にも貢献しました。

「ミスター・トライアスロン」として

中山氏は、日本国内で初めてプロのトライアスロン選手として活動を開始したことで知られています。その功績と存在感から、「ミスター・トライアスロン」という称号で広く呼ばれるようになりました。このニックネームは、彼の日本トライアスロン界におけるパイオニアとしての地位と、競技に対する真摯な姿勢、そして選手としての輝かしい実績を象徴するものです。プロ選手として、国内外の過酷なレースに挑戦し続け、数々の勝利や上位入賞を果たしました。

主な戦績

選手として中山氏が残した戦績は多岐にわたります。特に、国内の主要なロングディスタンス大会や、トライアスロンの最高峰とされる大会で印象的な結果を残しています。

1984年:
第4回皆生トライアスロン大会 優勝
アイアンマンハワイ大会 17位
1985年:
ニュージーランドアイアンマン大会 6位
第1回全日本宮古島トライアスロン大会 優勝
第1回天草国際トライアスロン大会 優勝
1986年:
第2回全日本宮古島トライアスロン大会 優勝（連覇）
第2回天草国際トライアスロン大会 優勝（連覇）
1989年～1996年:
ITU世界選手権大会 日本代表として出場

これらの成績は、当時の日本選手としては最高峰のものであり、後進の選手たちにとって目標となる大きな足跡を残しました。特に、国内で開催された記念すべき第1回大会での優勝や、アイアンマンハワイでの上位入賞は、日本におけるトライアスロンの地位向上に大きく貢献しました。

現在

選手としてのキャリアを終えた後も、中山氏はトライアスロン界から離れることなく、その普及・発展に尽力しています。現在は、日本トライアスロン連合（JTU）の理事を務めており、競技の運営や将来を担う選手の育成、そしてトライアスロンを通じた社会貢献活動などに関わっています。指導者としても活動しており、自身の経験や知識を次世代の選手たちに伝え、日本のトライアスロンの更なる発展に貢献しています。

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