中山和久

中山 和久（なかやま かずひさ）

中山和久（1930年1月7日 - 2016年11月24日）は、労働法を専門とする日本の著名な法学者であり、その豊富な業績で労働者の権利擁護に尽力してきました。福岡県で生まれ、早稲田大学法学部を卒業後、同大学で助教授や教授を務め、多年間にわたって教育と研究に携わりました。

経歴

中山氏は1963年、国際労働機関（ILO）が開催した公務専門家会議に参加し、日本が結社の自由および団結権の保護に関する条約（ILO87号条約）を批准するために尽力しました。これにより、労働者の権利向上に大きな影響を与えました。また、1996年には日本学術会議の第2部長としても活動していました。2000年に定年を迎え、その後名誉教授としての地位を得て、さらに埼玉女子短期大学の学長を務めました。

著作

中山氏は多くの著書を執筆し、労働法に関する知識を広めるために尽力しました。代表作には、1963年に発表された『ILOと労働基本権』、1964年の『官公労働法と労働者の権利』、1965年の『ドライヤー報告と官公労働法』などがあり、これらの著作は日本の労働法学において重要な位置を占めています。

彼の著作には、労働者の基本的権利や争議権について考察したものが多く、特に1977年の『ストライキ権』や1981年の『不当労働行為論』などは労働法の研究者や実務家にとって欠かせない文献となっています。また、『ILO条約と日本』においては、日本における労働法の国際的な位置づけについて詳細に述べられています。

共編著および翻訳

中山氏は単独の著作だけでなく、他の学者との共編著も多く、1974年の『自治体労働者の権利』や1980年の『官公労働法の基礎』などで労働法の基本的問題を広く取り扱いました。特に、1979年に出版された『看護職員 その権利と労働条件』では、看護職員の権利に焦点を当て、実務に役立つ視点を提供しました。このように、様々な視点から法律問題を論じた彼の著作は、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

彼の翻訳活動も注目に値し、1966年には『ドライヤー報告 全文』を共訳し、国際労働法の発展に寄与しました。

最後に

中山和久氏は、労働法の分野において多大な貢献を果たした学者であり、彼の研究や著作は今後も労働者の権利を考える上で大きな参考とされています。彼の業績は日本の法学界において重要な位置を占め、労働法の発展に大きく寄与したことは間違いありません。

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