中山幸市

中山幸市について

中山幸市（なかやま こういち）は、1900年に岡山県で生まれた実業家および教育者です。彼は、太平住宅株式会社の創業者として知られており、太平グループとして10数社を束ねました。これにより、日本の経済界に大きな影響を与える一翼を担いました。

教育と初期のキャリア

中山は1921年に関西大学専門部商科に入学し、1924年に卒業しました。卒業後は神戸高等商船学校（現在の神戸大学海事科学部）で実務指導教師としてのキャリアをスタートさせ、その後、夜間の商業練習学校で教諭としても活動しました。この時期の経験が、後の事業展開に役立ったことは言うまでもありません。

事業の発展

1930年、中山は神戸市で関西電話建物を設立し、後に日本電話建物と改名しました。この会社を1933年に東京へ進出させるなど、彼の事業展開は順調に進みましたが、1937年に同社を退社し、独自に日華貿易を設立しました。第二次世界大戦の終息を迎えるまで、彼は多くの事業を立ち上げ、様々な分野で影響力を持ちました。

戦後の1950年、中山は太平住宅を創業し、その社長に就任しました。この会社は、「3割の頭金で家を建てる」という新たな住宅ローンの仕組みを確立し、同時期の競合企業と肩を並べる存在となりました。1953年には太平火災を設立し、さらなる事業の拡大に挑み続けます。

学識と貢献

1956年には、卒業した関西大学の法人評議員に選出され、経済学の博士号を取得しました。教育者としての立場も強化する中、1960年には太平ビルサービスを創業し、続いて多くの関連会社を設立。太平観光や太平音響（のちのミノルフォン）などがその一部となり、また他の企業との連携を進めながら「太平グループ」を形成していきます。特に太平音響では作曲家の遠藤実を専務取締役として迎え入れるなど、音楽業界にも積極的に関与しました。

最期と影響

中山幸市は1968年10月27日に67歳で亡くなりました。彼の死は多大なる影響をもたらし、記念として『中山幸市代表逝去』という16ミリ映画が制作され、現在その版権は徳間書店に管理されています。中山の業績は、彼が設立した企業やその後の影響を受けた人々によって、今なお多くの人に伝えられています。

代表的な著作

中山はまた著作を残しており、1959年には『火災に因る災害補償制度』を発刊。さらに、1968年に『現代日本の百人』を出版し、1980年には『私の履歴書 経済人 10』という共著に参加しました。これらの著作を通じて、彼の考え方やビジネス哲学が広く伝えられることとなりました。

中山幸市の業績は、日本の経済発展の一端を担った重要な要素として、今も評価され続けています。

もう一度検索