中山武敏

中山武敏（なかやま たけとし）

中山武敏は、1944年2月6日生まれの日本の弁護士です。彼は日本の法曹界での活動の中で、特に狭山事件の再審請求を担当したことで広く知られています。彼は第二東京弁護士会に所属しており、登録番号は12688です。

幼少期と教育

福岡県直方市で被差別部落の家庭に生まれた中山は、経済的には困難な状況に育ちました。父親の中山重夫は大日本帝国陸軍に所属しており、中国戦線での残虐行為を目撃したとのことです。戦後、彼は南京大虐殺に関する証言を続け、反戦平和運動とカトリック教会の部落解放運動に貢献しました。

家庭は貧しかったものの、両親は勤勉に働いて生計を立てており、父親は靴の修理、母親は廃品回収の仕事をしていました。中山は定時制高校を卒業後、1968年に中央大学法学部二部を卒業しました。彼は1969年に司法試験に合格し、司法修習を経て1971年に弁護士として開業します。彼の法律事務所は、部落解放同盟中央本部内に位置し、地域社会への貢献を続けました。

法律家としての活躍

中山は、2006年に東京空襲訴訟原告団を結成し、110名以上の弁護団を率いて、日本政府に対して謝罪と約8億円の補償を求める訴訟を起こしました。彼は弁護団長としてこの運動を推進しましたが、一審と二審で敗訴し、最終的には2013年に最高裁判所で敗訴が確定しました。

彼の法律の専門性は、狭山事件や東京空襲訴訟に留まらず、日本国内のさまざまな社会運動にも広がっています。日弁連の立法対策センター委員や、重慶大爆撃訴訟の原告弁護団にも関与しています。中山は、「軍隊を捨てた国・コスタリカに学ぶ平和をつくる会」や「韓国併合100年市民ネットワーク」の共同代表としても活動し、北足立九条の会の呼びかけ人を務めているなど、幅広い運動を展開しています。

社会との関わり

2015年には、朝日新聞の慰安婦報道に関して、植村隆と共に法的対立に立ち向かう姿勢を示しました。彼は「この問題は植村さんだけの問題ではない。日本の民主主義の問題だ」との見解を述べ、社会問題に対するアプローチを強調しました。

家族と仲間

中山の弟である中山末男も、地域の集まりで重要な役割を果たしており、部落解放同盟筑後地区協議会の委員長を務めています。彼は、家族であっても社会運動に積極的に関与する姿を示しています。

結論

中山武敏の活動は、法曹界にとどまらず、日本の社会全体における不平等と向き合う試みとして評価されます。彼の経験と活動は、社会運動における法律の役割を再認識させる重要な要素として、多くの人々にインスピレーションを与えています。

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